ビートルズ・サウンドを創った男: 耳こそはすべて

  • 河出書房新社 (2002年8月1日発売)
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感想 : 5
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「5人目のビートルズ」と呼ばれたイギリスの音楽プロデューサーのジョージ・マーティンが昨日(2016年3月9日)90歳で亡くなった。

ビートルズは1960年にが結成されて、1970年に解散するが、ジョージ・マーティンは、1962年のビートルズの「Love me do」での初のレコーディング以来、解散まで見守り、ビートルズのほぼ全作品のプロデュースを行った。

著書では、ビートルズ発足初期のエピソードにこんなのがある。
「『抱きしめたい』がイギリスで成功して、ドイツで売りだそうとしていた頃に、ドイツEMIの人々は、ドイツで成功するにはドイツ語のレコードがない限り、駄目だとと言われて、歌詞をドイツ語に変えて、レコーディングしようとした。
当日4人はいつまで待っても来ない。ホテルへ電話すると、断る話を連中から押し付けられたマネージャーが電話口に出た。私は烈火の如く怒り、そして彼らのホテルに行くと、4人は物陰に隠れていた。
私がが何よりも怒ったのは、自分達から私に話すだけの度胸もなかったことであった。『ひきょうものめ!』と怒鳴ると、恥かしそうに微笑みながら、イタズラな生徒のように物陰から出て来た。そして口を揃えて「悪かったよ、ジョージ」。この時のように、彼らが愛嬌を振りまいたら、いつまでも怒っているなんてことはできない。私は冷静になりティーパーティに参加していた」

そして、この事件のあと、全米のヒットチャートで一位になり、ビートルズは世界制覇に向かって動き出して行く。

そして本の後半は、ビートルズの内部での確執から解散へ繋がっていく様子が描かれている。解散のまえにポール・マッカートニーがメンバーを繋ぎとめようと必死になっていた状況が書かれている。
総じて、ジョン・レノンより、ポール・マッカトニーを評価していたようだし、ポールに好意的な感じがする。

また録音技術なども詳しく書かれており、この方面に関心のある人は興味が尽きないと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年3月10日
読了日 : 2016年3月10日
本棚登録日 : 2016年3月10日

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