十二支の始まりの中国の伝説の話。
半妖の人が天帝に頼まれて12匹の動物を選んだけれど、一番最初は大切なので一番最初をねずみにするかうしにするかで悩んでいた。
ねずみは賢いので一番がいい、うしは力強いので一番がいい、と言い張る。
他の10匹の動物たちに聞いたところ12匹に選ばれたのだから今の順番に不満はない、と言う。
ねずみとうしどちらを一番にするか尋ねると半々になってしまった。
そこで、今度は人間たちに決めてもらおう、となった。
だが、ねずみはうしよりも小さいので魔法で大きくしてもらわないと人間たちは目に留めないと嘆く。
そこで半妖が魔法で大きさにする。
うしは、大きくなったねずみよりもまだ百倍大きいので気にしなかった。
ところが、人間たちの町へ降りてねずみとうしが歩くと、みんな大きなねずみに注目する。
うしはというと、どこにでもいるうしだったので、半妖がねずみとうしどちらを一番にすべきか人間たちに聞いたときに、ねずみしか見なかったと答えた。
そういう訳でねずみが一番になった。
これもねずみの賢さ故の策略だったのだ。
日本の昔話では、うしはおっとりしていて、一番最後にねずみに先を越されても二番だから気にしない、というおおらかさを見せていたのに中国ではねずみと争うほどだったとは意外。
ねずみは中国でもずる賢い。
猫がねずみを追いかけるようになる起源の話が登場しないのも意外だった。
エロール・ル・カインがこんな中国っぽい雰囲気の絵を描くというのも意外性があってよかった。
というかシンガポール出身で香港とかにも住んでいたとは知らなかった。
ヨーロッパの人だと思っていた。
- 感想投稿日 : 2012年1月24日
- 読了日 : 2012年1月24日
- 本棚登録日 : 2012年1月24日
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