バーナデットのモミの木 新装版

  • 西村書店 (1999年11月1日発売)
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本棚登録 : 117
感想 : 10
4

小さなモミの木が周りの木たちが切られてどこに行くのか知り、そして自分も海や街へ行きたいと言うが、みんな、そこにいることを幸せに思えという。
しかし、小さなモミの木にはその意味が分からなかった。
成長したモミの木はあるとき切られ、クリスマスツリーとしてある家に運び込まれ、りっぱに飾り付けられる。
とても、幸せな瞬間をすごすモミの木だが、子供たちがやってくると飾りつけは剥ぎ取られてしまう。
翌日、また飾りつけられるのかと思うが、物置にしまわれてしまう。
雪が地面を覆っているから植えられないのだと、モミの木は解釈する。
ねずみたちが少しの間話し相手になったものの、モミの木がチーズの話を出来ないと知るともう来なくなってしまった。
1人寂しく冬を過ごして春になり、モミの木は庭に出される。
葉っぱを伸ばそうとするが黄色く枯れてしまっていた。
子供が枯れているモミの木のてっぺんにまだクリスマスの星の飾りが付いている、と枝を踏みながら飾りを取ってしまう。
そして、モミの木は暖炉の薪としてくべられ、灰になって行く中、森の中にいたときが幸せだったのだと気づき、あのときをもっと幸せだと感じているべきだったと思うのだった。
外では子供はモミの木がもっとも幸せだった一晩につけていた星の飾りを胸に飾っていた。

なんとなく、読んだことがあるような。
アンデルセンなので一度は読んだことあるのかも知れない。

クリスマスの楽しい絵本の中に一緒に並んでいた絵本だけれど、物悲しい。
そのときが幸せだったというのは、そのときが過ぎてからでないと気づかないもの。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2012/11
感想投稿日 : 2012年11月28日
読了日 : 2012年11月28日
本棚登録日 : 2012年11月28日

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