- In the Passing Light of Day
- Pain Of Salvation
- Inside Out U.S. / 2017年1月12日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
スウェーデンの奇才Daniel Gildenlöw率いるバンドの2017年に出ていた作品。2枚組だが、2枚目はメインディスクのデモが入ったマニア向けのものなので、ひとまず普通のリスナーであれば1枚目さえ聞けば問題ないでしょう。さて、普通のリスナーとはいったいどんな人なのでしょうか?そもそもこのバンドの作品を聞いている時点で普通ではありませんよね。かく言うワタクシも普通に囚われない幅広い音楽を聞こうと努力してここにたどり着いているわけですが、それでもここにいる人は相当変わり者の分類なのは間違いないでしょう。そもそもこのバンドの最高傑作とも名高い3rdアルバム「The Perfect Element」の良さをどこまで理解できるかにかかっており、多くの人はその先を2,3歩踏み出すことさえ難しいんじゃないかと思ってます。
さて、本題に入りますが、ヘヴィなギターリフから変拍子なドラムが絡み合いその先にある超ドラマティック展開が他の何物でもないPain Of Salvationの#1であなたはどこまでついてこれるか?正直に言いますとこの音源を手に入れた当初(おそらく2018年ごろ?)に聞いた際にはそこまでハマることはなく、他の音源に埋もれて聞く優先度はあまり高くない状態でした。では優先度が上がるきっかけがあったのか?そう、Hayato Imanishi氏が主催するRelease It Yourself Vol.1の開催です。恥ずかしながら社畜の自分は午前中に仕事をしてパソコンをEXシアター六本木に持ち運ぶくらい聞き込む時間を確保できてなくて、有名(ってか自分が知ってる)曲やってくれればラッキーくらいに思ってたし、当日もUsedとBeyond The PaleとThe Perfect Elementくらいしかわからんかったという情けなさに申し訳がなさ過ぎて…。それでも当日の異様な空気感とライブの余韻がしばらく抜けなくてYoutubeでライブ動画を漁るわけです。そこで出てくるわけですよ、#1が…「なんやこれ死ぬほどカッコいいやんけ、当日やってたやんけ。#6もライブで聞いたやつだ!(進研ゼミで見た問題だ!)」。
このバンドの不思議なところは、なんかよくわからんけどかっこいいと思えること。自分は音源を聞くときに、このメロディがキーの音階に対してスケールアウトしてるからかっこいいんだとか、どこが自分にとってツボかを分析することが多いのですが、なぜこのリズムにこのメロディを乗せるのか?なぜここの変拍子はこう構成されているのか?など、聞けば聞くほどわからなくて分析が追い付かず…どうしてカッコいいと思えるのかがわかりません。もし自分がギターをコピーしてバンドで演奏するとしても、全然覚えられないのは目に見えてます。ではなぜこのCDが星5つなのか?なぜPain Of Salvationに他にはない魅力を感じてしまうのか?もうすでに答えは出てるんですよね…「なんかよくわからんけどかっこいい」から。そこに気づくのがもう数か月早かったら…と思うけど、ライブ後に「初来日公演良かったなぁ」と思い返しながら何度もCDを聞き直したくなる次点で遅いなんてことはなく、むしろ大勝利なわけです。
ということでDanielさん、妻と娘の名前も一緒に頼んだPANTHERとThe Perfect Element 2020を早く送ってください…注文してからもう2か月経つよ…?
2025年2月2日
どう考えてもアーティストとアルバムタイトルが違うのにAmazonのページに飛ぶと収録曲が正しいのが謎ですが、イタリア人ギタリストのインストアルバムです。
定期的にエレキギター動画を漁っているからか、youtubeのオススメに上がってきたギタリストの作品を個人輸入でゲット。ピックを使わないスタイルが特徴で、使用しているヤマハとエンドースしているみたい。Jazz fusionをベースとした大人向けな音楽ではあるものの、メタルギタリストも驚くくらいの速弾き(元々スウィープやエコノミーピッキングはJazz発祥とも言われてる)がとても良い、指弾きとレガートメインなので音がめちゃくちゃ滑らかで気持ちいいし、音の並びがHRHMではなかなか聞かない構成なのがまた新鮮ですよね。こんな風に縦横無尽に弾けたら気持ちいいだろうなぁ。
バックバンドの技術も確かだし、その音楽性に合っているのが何とも言えずこれまた気持ちいい。エレキギターの神の領域に達しているSteve Vaiなども絶賛するこの個性豊かなギタリストに今後も目が離せない。そのうち来日するでしょきっと。
2024年10月26日
- Flying Through Infinity
- Palace Terrace
- Lion Music Finland / 2008年6月12日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
某サイトでプログレメタル25枚セットを頼んで26枚届いたうちの1枚。
適度に近未来感のあるシンセと複雑なリズムを刻むドラムにストラトのシングルコイルによる繊細なプレイがいい味を出しているのは、Shadow Gallarey meets初期Ring of Fireって感じかなと思ったらギターがGeorge Bellasだったんですね。思ったよりもネオクラシカルっぽさが控えめだし、ギターの歪みのゲインが結構抑え気味だったから気付かなかったぜ。
ってことで予想外にもネオクラピロピロ系メタルにならず、プログレ風味のほうが強いので意外と新鮮に聞こえてしまうのが良いね。と言ってる側からネオクラシカルメロスピの#7が流れてニヤける。
2024年10月26日
- てん、てん、てん〔通常盤〕
- 芝崎典子
- Dreamusic / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
シャニマスのキャラの中で最も卑しか女である桑山千雪さんの声優さんのミニアルバム。最も卑しいけど歌声はシャニマスで一番好きだったりします。カーッ
せっかくの美声なのにパワーセーブというか表現力を抑えまくっている#1を聞くと先行き不安になりましたが、らしさがかなり出ている#2を聞いてガッツポーズしました。ジャケットから感じる妖艶さが歌唱にも表れているけど、そのボーカルエフェクト必要ですか?と問い詰めたくなる#3、英語の発音上手くね?ヲタクが喜びそうな#4は90年代のギャルゲっぽい。このCDの曲では最もこの人の声を活かせているであろう#5は、個人的にも好みな曲調ですねぇ。そして次点で好きな#6はライブ本編のラストに入れたら映えそうなパワーバラードですね。
声優さんのアルバムって、音楽性を絞り込むのか多様性を追うのかで分かれるし、この人も方向性を模索している感が伝わってくる気がします。そして数多に存在する女性声優さんの中でも個人的にはめちゃめちゃ好きな歌声なんですけど、この人もなかなか日の目を見ずに苦労されてるなかで卑しか女の役にやっと安定したっぽいですよね。声優やアニメの世界って厳しいんだなって改めて思いました。
2024年10月26日
なぜか海外のお仕事でお世話になったサックス奏者の方の作品。住んでいる場所も意外と近くていろいろとびっくりしました。
サックスが入る音楽といえばオシャレなイメージ一択であり、コテコテのロック人間の俺からするとそこまで馴染みがあるわけではないのですが、ふと会話したときに影響を受けた音楽の話題がでて「Pat Methenyです」と言われれた瞬間に、吹奏楽器といえばなぜかスカを思い出してあんまりいい印象が残っていなかった俺の中でJazzやFusion、はたまたラテン音楽やプログレまでも連想するあのパットメセニーと来たらもうね、お仕事の仲とはいえとても応援したい気持ちが生まれてしまいました。
さて、吹奏楽器のなかでも目立って耳につく金管楽器が印象的なスカとは違い、サックスは木管楽器なので耳当たりは悪くないし大人な印象ってのが、おそらく本業の方からしたらきっと偏見に見えると思います。でも好みなんて人それぞれだしそういう人にはヘヴィメタルの良さが分からなくても別にわかってほしいなんて思いませんのでお互い別の世界で生きていきましょう。
肝心なこのCDの中身の話をしましょう。サックスだけでなく電子楽器のEWIなども駆使されているようで、音の幅は意外とあります。加えてサポートミュージシャンによる演奏もとても重要ですね。Jazzといえばこれまた偏見だけどモダンジャズのような難解なスケールアウト連発かと思って身構えて聞こうとすると、そこまで難解ではなくて実に聞きやすくて安心しました。なんというか、Jazz Fusion初心者の人にも安心して聞いてもらえそうな丁寧な曲作りをしているような印象です。薄暗い大人なバーで流れる音楽というよりは、街角にあってコーヒーも飲める雑貨屋さんといった感じでしょうか。
普段HR/HMに狂っている自分にとって、こういうアクセントというか気分転換ができるのはなかなか貴重なきっかけをもらえたし、音楽的な話をするときもいろいろベクトルが違ったのでとても興味深かったです。
2024年10月26日
- Symphony of Sin
- Eden's Curse
- Afm / 2013年10月2日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
個人的にHRHMに求める全てがバランスよく網羅されているバンドの、シンガー交代後初めての作品。初めて聞いたのがライブ盤で曲にノックアウトされたが、そのライブの直前にリリースされた作品ってことで気に入る曲が多いわけだ。
MVにもなったリーダートラックの#3の味わい深さだけでなく、アグレッシブさや疾走感を楽しめる楽曲たち、#5のようなバラードにも映える素晴らしい歌唱だけでもお腹いっぱいなのに、ライブ盤に収録されていない曲も粒揃いでおかわりデザートが止まりません。#12のギターソロやばかっこいいんだけど、右利きギターを左利き仕様で弾いてるからこんなフレーズになるの…?
ワイヤレスイヤホンで少し音量上げて聴いた時の心地良さが言葉に出来ないくらい良い、特にギターとドラムとボーカルの立体感というかなんというか。エレキギターでバキバキに弾いたと思ったらアコギが聞こえてくるのもたまらん。
evpさん、hayatoさん、来日頼むわ。
2024年10月16日
- 8 Deadly Sins
- Manticora
- Nightmare Records / 2005年2月14日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
北欧デンマークのメタルバンドの2004年作品、バンドは名前しか知らなかったけどEvoken Fest 2024出演をきっかけに気になる度合いが増してたら、ガルネリ買いに入ったディスクうにおんでげとー。
北欧といえば80年代のキラキラした透明感ある独特なサウンドを想像するが、やはり2000年代となると様々な点で進化している感ありますね。(欧州でなく)北欧という括りで考えると納得感のある演奏技術を魅せるギターとドラムは、テクニックだけでなくフレーズセンスを感じます。時折り入るキーボードソロも大好物です。
ゴリゴリなメタルが続く中で異彩を放つ#8みたいなバラードっぽい曲かとても良いアクセントに思えます、そして次がまたゴリゴリなメタルってのもね。メロディックに歌い上げて、中低音は力強いボーカルが個人的な好みとは少し違うのと、歌にクサさが欲しいのが少しもどかしいところ。
ここまで書いたらそんなツボる感じではないのだが、ライブで観たら好きになるに一票。Evoken後の追加レビューを待て!
【追記】Evoken Fest 2024前夜祭で見てきました、悪くはなかったけど別のバンドが良すぎてそっちに夢中になってしまった。ワイヤレスの機材トラブルが残念過ぎた。
2024年10月16日
- Forbidden Fruit -1st piece- [初回限定盤A] [CD + Blu-ray]
- East Of Eden
- ビクターエンタテインメント / 2023年12月20日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
D_DriveのYukiさんと左利きベーシストのわかざえもん氏がRock fujiyamaに出演した際に話題になっていたバンド、リーダーがバイオリニストということでどんな音楽なのかと思っていたら…期待を裏切らない素晴らしいものでした。
HRHMをベースにしつつ、Jポップ的なわかりやすいメロディと、僕たちの大好きなプログレ風味をふんだんに詰め込んでくれてます。そして何よりリズムがヘヴィなのがたまらない。挨拶がわりの疾走チューン#1もいいけど、クールなサビのメロディとJポップらしさを感じるラスサビの上がる部分が死ぬほどかっこいい#2、縦揺れヘドバン必須のリズムと哀愁を感じる#3、爽やかな変拍子が現代プログレを感じる#4、マーティフリードマンが大喜びしそうなクサさを感じるコード進行と楽器隊のフレーズがおいしい#5。
キャリアのあるメンバーが集まっているのと、ソングライティングは外部からではあるものの、デビュー作でここまでの作品を残せるのはなかなかすごいと思います。女性リズム隊にありがちな不安定さは皆無です。ラウパのOA枠ではなくメイン枠で行けると思います。
2024年7月27日
- Dreamchaser
- Victorius
- Spv / 2014年11月16日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
ニンジャシリーズで大人気になったドイツのバンドの、まだニンジャに目覚めてしまう前の作品。
潔い正統派パワーメタルで力強いリズムが気持ちいいのだが、演奏がタイトすぎて全くバタバタしないのが凄すぎる。ハイトーンは封印しているのかわからないが全く無理しないボーカルのおかげか、曲の安定度が高すぎる。
俺的に歴史的名盤であるSpace Ninjas from Hellがあまりに良すぎてこの作品の印象がそこまで高くないのは、歌詞のファンタジーさのベクトルが普通だからなのかもしれない…サムライ・シュリケンのインパクトは強すぎたわ。
とはいえマジでツーバスのリズムが心地良すぎて#6あたりでは通勤電車の中でヘドバンしそうになります。
2024年7月27日
- THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Sol-
- Team.Sol
- ランティス / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
俺が初めてDream Theaterを見た場所である横浜アリーナでライブを本日やったらしいシャニマスの、キャラの色分けソロ作品。
うちの妻の推しである咲夜さんの#1はネオクラシカルなポップロック、目つき悪い美人お姉さん枠でどストライクなキャラである夏葉さんの本アルバムのベストチューンであるおしゃれな#2、実はギャル枠としてのストライクゾーンに入っており最近結構好きな雛菜のふわふわした感じな#4、スピッツっぽいと言うと世代がばれそうな透の#8が好きです。色からしてパッションっぽい全体曲の#9も意外と嫌いではないです。
個人的には本業が甘奈Pでちょっと円香が気になる年頃な人なんですけど、結婚するなら夏葉さんがいいんじゃないかと思いながら寝ぼけたことを言いつつもう寝ます。
2024年7月27日
- Let the Truth Speak
- Earthside
- Music Theories / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
アメリカのプログレメタルバンドの2nd作品で、ボーカルは外部ゲストを呼んで歌入れしてるようです。
テクニックが無いわけではないが、例えばギターはシュレッドに走るわけではなく、キーボードとの華麗なハモリがあるわけではない。雰囲気というか空気感を重視する点は70年代プログレ的表現ではあるが、音の選び方がことごとく無機質であり、メジャーでもマイナーでも無いどこか不安になる感じはAnimals As Leadersを思い出しますね。サウンドも近代的で聞きやすいのと、シンセの味付け具合が気持ちいい。急にポップな雰囲気になったと思ったらやはり難解でプログレ以外の何物でもない#6あたりを聞くと、メロディとサウンドでここまで世界観が出るものなのかって思いますね。
プログレにありがちな、決して取っつきやすいわけではないけど、聞けば聞くほどなぜか癖になる感じはあるので、この作品はもっともっと聞きこまないとなと思いました。
2024年7月27日
- 提灯暗航 初回生産限定豪華盤
- HIMEHINA
- MaLC / 2023年5月24日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
他の追随を許さない(個人の感想です)Vアーティストのオリジナル3rdアルバム。
初回視聴時には地味な印象が強かったのはきっと#1のツカミの影響が大きいと思うが、聞けば聞くたびにスルメな楽曲たちはさすがヒメヒナと言った感じか。ミドルテンポな曲でもフックを感じるのはメロディの良さだけでなくもはやトレードマークな個性が強く出ているからに違いない。猪突猛進な田中ヒメを後ろから支える鈴木ヒナの絶妙なコンビネーションに白米がいくらあっても足りない。明らかに鈴木ヒナの歌唱が良くなってますよね、ヒナ推しなので超嬉しい、いやどっちも好きで選べないけどね。
クール曲も盛り上がる曲もコミカル曲も良い感じに収録されてるけど、全体的なバランスは2ndに軍配かなぁ。まぁこの意見もこの3rdを聴き込めば変わるかもだけど。聴き込みたいと感じさせてくれるだけでヒメヒナの勝ちです。
2024年7月11日
- BETWEEN DREAD AND VALOR (初回限定盤)
- GALNERYUS
- ワーナーミュージック・ジャパン / 2023年3月1日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
日本で一番好きなバンドで、自身がやっていたバンドのリハに向かう途中のディスクユニオンで発売週に購入したし特典ももらったはずなのに、次のアルバム発売のニュースを見て「あれ、ちゃんと聞いてないやん…」となって急いで聞いてます。
キーボードによるキラキラ感が強めなのと、ミドルテンポのハードロックでややクサなメロディを優しいハイトーンで歌われると、ここまでいくともはやJポップという印象です。ギターソロも半分くらいは手グセで弾いてそうな感じでして、ゾクゾクするようなフレーズも昔ほどは見つけられないような。
ツーバスどっこどこのメタル系サウンドに映える小野さんシャウトももっと聞きたいと思う反面、このレベルを長く続けるために無理しないでほしいという気持ちもある。
2024年7月11日
- 【Amazon.co.jp限定】THE IDOLM@STER SHINY COLORS シャイニーPRオファー Vol.2(メガジャケ付き)
- 小宮果穂(CV.河野ひより)、黛 冬優子(CV.幸村恵理)、和泉愛依(CV.北原沙弥香)
- ランティス / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
90年代ロック色強めjポップで、ギターとドラムがかなり俺に「好きなんだろ?こういうのが」と語りかけて来ます。コンセプト的に戦隊モノの主題歌をイメージしているようで、その雰囲気はわからんでもない。リズムはJAMプロっぽさを感じる?あんまり聞いたことないけど…。ギターソロはDeep PurpleのHighway starオマージュですかね。
ドラマではストレイの2人が果穂を気遣っていると思いきや、予想外に果穂がしっかりしてるからストレイの2人のアレな部分が目立つという…。
2024年7月6日
晩年に住みたい国ベスト3のスウェーデンから現れたプログレメタルなバンドで、ジャケットやイラストの雰囲気が独特で不気味なのが惹かれてしまいました。
弦楽器の低音弦で変わったリズムアクセントが入る、いわゆるdjent風フレーズはあるものの、それ以外は総じて地味ですねぇ。ギターソロ無い、ハイトーンシャウト無い、クサメロ無い…まぁプログレ全盛期の70年代はこういう音楽の空気感を楽しむのが一つの流行りだったのかとは思ってます。
元opethメンバーがいるとは言え、opethほどのクセは感じられず、盛り上がりの足りない楽曲が淡々と続く印象。2020年になって技術の進歩もとてつもないからこそ取り入れてほしかったテクニックが無いわけでもないですが…結局は好みの問題だと思います、キミは気にいるかもしれないよ!
2024年7月6日
- Emerald Seas
- Seven Spires
- Frontiers / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
あの憧れのProg Power USAへの出演経験もある米国のメタルバンドで、フロントの女性ボーカルの力強さはなかなか他にない魅力なんじゃないかと思う人たちの2020年の作品らしい。
とにかく音が良くて、メタルの魅力を100%感じられると言っても過言ではない気がします。そしてボーカルは女性一人なのかと思うくらい表現の幅が広くて、普段は比較的平坦に歌っているのに高音やデスボに変わったときのインパクトが強すぎますね。音楽的には…わかりやすくサマリで言うと、ドラムのリズムがkamelotでメロディはMinstreliXといった感じでしょうか。つまり個人的にはかなりストライクゾーンに入ってます。
初めてYoutubeで聞いたリーダートラックが別アルバムだったので、そちらも聞かねばなるまいと思いました。
2024年7月3日
- Ophelian Fields
- Seyminhol
- Lion Music / 2018年2月22日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
一時期プログレメタル系を買いあさってた時に視聴して買ったはいいが、なぜどこで買ったのかがもう記憶になくてやばいと感じている今日この頃。
シアトリカルでリズム隊がやたらとキメキメなのと、なかなかテクいギターが特徴的。メロディのクサさはそこまでではないが表現の幅が広いボーカル、低音域では時折Fabio Lioneっぽさを感じる。味付けで入るキーボードの雰囲気づくりがナイスです。しかしテクいドラムを楽しむには残念な低音域のミックスがもどかしい、ギターもぼやけた印象なのでもう少し減の輪郭を感じたい…最近聞いた他の音源がその辺やたらとミックスがきれいだったので気になりすぎる。
トラックに場面のナンバリングがあるのでコンセプト作っぽいのだが、英語苦手日本人の筆頭である私には歌詞の理解が無理ゲーだし、あまり引っかかるメロディも無いのでひたすら淡々と音楽が流れて、気づいたら終わっている36分でした。
2024年6月29日
- DIALOGUE+1(初回限定盤)
- DIALOGUE+
- ポニーキャニオン / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
ひと昔前は差別的な意味も含まれていた呼称であるオタクの文化が今や当たり前となり、そのサブカルの代表でもあるアニメはアニメーションだけでなく声優さんがいなければ始まらない。そんな声優さんが集まってユニットを作るのが最近流行っているように感じるのだが、あの名作曲家である神前暁も所属するMONACAがプロデュースするユニットが登場。
まぁ個人的な導入は「弱キャラ友崎くん」のアニメを見て少し気になったってだけですが、聞いてみるとまぁワイワイ系が多くてあんまり好みには合わなそうって印象です。普段は陰の世界にいるヲタクが活き活きとできる数少ない声優ライブで張り切っちゃうのが脳内で再生されてしまいます。
その友崎君のOPだった#2もワイワイ系なんだけど、アニメに出てくるキャラがOPで歌ってるのを見てなんかいいなとは思うものの、実際歌っているのはcvとは異なる声優さんなわけでして…俺は友崎君のキャラ(特に日南葵ちゃん)が好きなだけだったのかという再発見ができました。
あ、さすがにMONACAだけあって楽曲のアレンジやギターの入れ方はいいと思います。もしコピバンやるからギター弾いてくれとお願いされたら、少し聞き直して悩んで…たぶん断ると思います。
2024年6月29日
- Between Heaven and Hell
- Firewind
- Massacre / -
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
一時期ヤングギター誌でゴリ押しされていたギリシャ人ギタリストの、自身が主体となって活動しているバンドの作品。
メタル系ギタリストが好きそうなメタルとはこういうものだ!と言わんばかりのゴリゴリでコテコテな音楽性は正統派ヘヴィメタルの教科書とも言えるかもしれないが、個人的な感想としては教科書という範囲から出ることのない、平凡な優等生という感じでしょうか。音楽で一番大事なのはギターのテクニックだと思う人もいれば、等身大の恋や愛を書いた歌詞だという人もいるわけで、人それぞれのツボがあってこの作品が俺のツボにはハマらなかったというだけの話でした。
ちなみにボーカルなんですが、アンセム森川みたいな声でして超絶ハイトーンというわけではないんだけどガス爺さんはハイトーンの人と組まないことが多い気がします。それは単に人材不足なのか、人選の好みの問題なのかは謎ですが、やはり個人的な好みのベクトルとは少し違う気がします。アンセム森川はライブで聞いた時の迫力が凄かったので普通に好きだし同じ日本人として応援したい気持ちもあるが、ゴリ押しされていたという変な先入観があるギリシャのバンドの知らない人にはそんなに思い入れも無く…。
2024年6月9日
- サヴァイヴ ~デラックス・エディション [2CD生産限定盤] [ライヴCD『ライヴ・アンダー・ザ・サザン・クロス ~サウス・アメリカ2019』付属]
- ストラトヴァリウス
- ビクターエンタテインメント / 2022年9月21日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
7文字のアルファベットに込められたメッセージ、今までの作品では抽象的であったり幻想的であったり、ファンタジー世界を比喩するかのようなキーワードが多かった印象でした。しかし今回は誰もが知っているであろう単語。数年前に発生したパンデミックでは音楽を楽しむことはおろか、人間の生存や人類の存続にも不安を思わせる大きな出来事であり、そこに対するバンドの思いが込められているとか。でも俺の中ではこのアルファベットの単語にはそれ以上に刺さる意味がありました。2022年に行われたDownload Japanでは帰ってきたメタルフェスに涙を流したが、2023年のLoudpark復活とSTRATOVARIUS参戦には日本のメタル界に大きな影響を与えたと個人的には思っている。そしてこのCDから流れる音楽には"人類の生存"だけではなく"ヘヴィメタルの生存"を意味するものが込められている。
近年ではネット上の動画や専門講師によるレクチャ等により、音楽的な教養の土台はとても高く設定されテクニックの水準も並々ならぬものになっており、メタルバンドのレベルも相当高くなっているが…キーボードとギターが絡み合うメタルも増えているとは思うが、それらのフォロワーたちを軽く一掃する超ハイレベルな演奏とフレーズセンスにはもう笑うしかない。ってかMatiasのピッキングきれいすぎだろ。
ってことで北欧を代表するフロントマンである小ティモが歌うメロディのかっこよさ、Matiasのギターフレーズ、Jensの狂ったキーボード、Lauriの安定感ありつつテクいベース、Rolfの経験がものをいう職人的ドラムが奏でる音楽にはもうなんの文句もないし、むしろ毎回こんなすごいアルバム出してくれて本当にありがとうございました。って感じです。
2024年3月30日
ジャケットがカッチョイイ正統派メタルバンドの作品で、ギタリストはあのEdguyのイエンスさんらしい。多国籍でベテランぞろいの期待のバンドのようです。
現代の技術を最大限に活かしたクリアかつヘヴィなサウンドで聞けるのはどこをどう切り取っても正統派メタルとしか説明できないレベルのものです。少し枯れた声でシャウトするボーカルに好みは分かれそうな気がしますが、何度か聞いているうちに個人的には段々癖になってきました。しかしメロディも良くも悪くも正統派、つまり尖っていない印象なのがすごく惜しい気がしますね。#3や#8なんかは哀愁を感じる部分もあるのでもうひと超えすれば化ける気もしなくもない。でもアルバムの中に2曲も「おっ」と思わせる曲がある時点ですでに及第点と言ってもいいかもしれない。ツーバスもプレイできるし、要所要所にキーボードも入る編曲はとても好みだし。ってかイエンスさんってこんなにギターソロ弾けたっけ?(驚)
かつてトルシエ監督が「明神が8人いれば」という言葉を残し、オシム監督が「山岸より上手いのか」と語ったように、あらゆるものには基準があってそこからの比較が表現しやすいこともある。個人的にはこの手の正統派メタルの基準がEden's Curseになってしまったため、今後類似の音楽性のバンドが表れたときに彼らとの違いをどう感じ取るかが肝になってくると思ってます。
2024年3月13日
あのDream Theaterのツアーにサポートアクトとして参加した多国籍多様性のある正統派HR/HMバンドのデビューアルバム。自分が知ったときとはメンバーが結構違うけど、メインソングライターは不動ということで安心安定の素晴らしい楽曲クオリティでした。
この作品で歌う初代シンガーのマイケル・エデンもとんでもない逸材で、個人的に好きなTOTOのJoseph Williamsのような艶のある声でかっちょいいシャウトしちゃうもんだからニヤニヤが止まらないです。そして何といっても曲とアレンジの良さがもっととんでもない、耳に残るメロディとこれぞHRHMという程よくキャッチーなリフ、手癖を全く感じさせないシュレッドなギターソロ。私がHRHMバンドに求めている全てが詰まっていると言っても全く過言ではないし、この気持ちを誰かと共有したくて仕方がない。自分がもう一人いたら朝まで一緒に飲みながら語りたい。
マジで全曲良くて、どのトラックを再生しても頷くことしかできない。バラードを含めてね。このバンドに出会えたことはここ20年で一番だと冗談抜きで思い始めてきた。
2024年3月8日
- Parallel Lives
- Section A
- Lion Music Finland / 2006年3月20日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
北欧のHR/HMバンドであるFATEやLINONS SHAREのメンバーがジョイントして始まったバンドらしく、ジャンル的にはProgressive Metalに属するようです。それはたまたまそっち系の音楽をあさっていたときにLION MUSICというレーベルを見つけて、そのサイトのThe Prog Metal Collectionという25枚セットをまとめて買ったのでジャンル的には絶対に間違いない。
美しいジャケットからして間違いねぇだろって思う音楽性は、メロディックではあるものの予想以上にクサさを感じにくい無機質なものでして、自分がメタルに求めるメロディの引っ掛かりはあまりないのですが…プログレメタルだとなんかそれはそれでいいんじゃないかって思えてくる不思議。以前聞いてたParalydiumあたりもその感覚に近いかもしれん。ボーカリストはもちろん及第点以上の歌唱だし声質も全然嫌いではないし。
そんな感想を持って高めの評価をしたくなるのは、Progressive Metalの醍醐味である編曲ですよね。程よく変拍子を絡めたリズムにギターキッズもガッツポーズのシュレッドが嫌味にならない程度に楽曲を彩り、それに応えるように華麗に弾きまくるキーボードの美しい音色。超絶ソロの掛け合いはあるものの、ユニゾンやハモリをすることはないのが意外でしたね。まぁなんとなくギターの方が立場的にも上なのかなって。個人的には世の中のキーボーディストはあと3倍くらいリードを弾くべきだと思ってます、っていうかお願いします。
2024年3月8日
人気Vtuberの2ndアルバム、一時期入手困難だったしツ〇ヤには置いてないし、1stがそれなりだったので無理して手に入れなくていいかなーと思ってたけどひょんなことから入手できたので聞いてみたんですが…1stの100倍良かった、聞けて良かった。
いきなり哀愁たっぷりパワーバラードで始まる#1、軽快なギターのドライブと8ビートとシンコペーションが気持ちいい#2とか全体的に「せつない」と「かっこいい」が高次元でクロスするのが素晴らしい。そして注目すべきはコルピクラーニも笑顔で聞くであろうケルト風の曲は本編のベストトラックである#4と、あと静と動を感じる歌声がメロディとマッチしすぎな#9もかっこよすぎると思います。よくぞこんな曲をやってくれたマジGJ。
1stには不要だと思っていた曲調のものが今回は無いどころか、どれも俺の好みな曲だったし編曲もバンドマン受けしそうだし変にメタルっぽくならないのが良い。もしかしたら個人的にはそれがメタルとの棲み分けになってて良いのかもしれない。
富士葵の美声を堪能するには充分すぎるこの名作はいろんな人に聞いてもらいたいです。
2024年1月8日