ハル、ハル、ハル (河出文庫)

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本棚登録 : 323
レビュー : 34
著者 :
Pipo@ひねもす縁側さん 驚きとともに読んだ本   読み終わった 

単行本のときに読みそこなってそのままになっていた本です。

まず『ハル、ハル、ハル』の、冒頭のクールさで持っていかれます。2人のハルが1人のハルを巻き込んでやらかしたことは、リアルにありそうだけど現実感がなく、ゆるいようでどぎつい。語り手がおっしゃる通り、ノワールであり、家族小説であり、ロードノベル。しかも、純粋かどうかは別として、登場人物もストーリーも文体も乱暴で、読み手には全然フレンドリーじゃない。

賛否分かれるというのは単行本が出たときのうわさで知っていたのですが、読んでみると、どれも意外と嫌いじゃなかった(笑)。「そんなにこまごまとなめらかに説明しなくてもわかるでしょ、っていうかわかれよ」というSな感じで、どんどん場面が切り替わっていく。「結局、起こっていることはこういうことなんだよね」とまとめながら追いついていくのが大変だけど、それはそれで愉しい。Mか、私!

何かがモチーフになって最後にまとまる連作集というより、『ハル、ハル、ハル』のイメージが、あとの物語を引っぱり、そこにちりばめられている印象を受けました。どれも鮮やかで危険な断片の物語だと思いますが、ピリッとオチが効いているのは『スローモーション』。一番どぎつくてクレイジーなのは『8ドッグズ』。『ハル、ハル、ハル』は他のかたがおっしゃるように、これだけで長編に仕立ててもいい物語だと思います(中編くらいがベストかもしれないけど)。

こういう不親切な物語も面白いな…と意外と楽しんでしまったので、この☆の数です。円城塔さんの解説のオチがダッセーのが、弱点といえば弱点かもしれません(笑)。

レビュー投稿日
2011年8月5日
読了日
2011年8月5日
本棚登録日
2011年8月5日
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