フランスの博物館と図書館

  • 玉川大学出版部 (2003年6月1日発売)
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感想 : 3
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ちょっと本を検索していて、偶然ヒット。しかも、文庫本価格の中古本です。フランスで開かれた、図書館と博物館に関するセミナー講演の翻訳です。図書館学か博物館学の文献(だと思う)なので、100%興味だけの、ド素人の私が読むのはどうなのか?と思うんですけど(笑)。でも、博物館・美術館大好き、図書館も…だし、どういうふうにこの施設に思いをめぐらすのかは興味大!いわゆる「カタい」文章なのに、講演録のせい+着実な訳のおかげか、意外と読みやすいです。しかもたとえが華麗だ(笑)。「『時』の管理」や、「アリアドネの糸玉」とか。引用される図書館・博物館が実在のもの、文学作品中のものを取り混ぜて多彩で、そこだけ拾い読みして楽しむのもアリかと思います。個人的には、ブコウスキーの、図書館に触れる瞬間の引用がヒット。中でも、「博物館と図書館の対立」というトピックは、考えたことなかったので、意外に思いました。「博物館は有料、図書館は無料」って、普通すぎて気づかなかった〜。「だから博物館内の図書館のような、両者の融合って難しい」という意見の根拠のひとつでもあるんですけど…たしかに、博物館・美術館内の図書室って、対象がよくわからないものが多いかも。年季の入りかたが日本とは違うとはいえ、知識の収集・保存・展示や、利用者へのアピールなど、抱える課題は似ているような。いろいろな切り口から読めますが、スピーカーが違えば、話題がかぶるとこがあるかも。それに、図版がなくて、ちょっとイメージがわきにくい感じもあり、そこが惜しいです。それにしても、ポンピドゥー・センターの読書用座席って、1,800もあるんだー。地味ながらいろいろ知ることができて、面白く読めました。今でも行きつ戻りつ読み返し中。この本とお別れするときがいつか来ても、そのときには、もっと役立ててくださるようなかたのもとへ旅立てるようにしたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクションも好き
感想投稿日 : 2010年6月7日
読了日 : 2010年6月18日
本棚登録日 : 2010年6月7日

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