何度もリメイクされた、怪盗ドラマの古典を読んでみた。
美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の丁々発止のやり取りが痛快…というより、黒蜥蜴姐さんの人たらしっぷり(しかも色気を使っていないと思われるところがポイント高し)と大胆不敵なやり口、それに後手後手であまり格好良くない雰囲気で食らいつく明智探偵、という構図のように感じる。作中でも「怪盗黒蜥蜴は世間の女性に人気がある」との世の評判が流れているのだが、さもありなんである。
語り口が講談調で、各章の終わりが「さあ、どうなるのであろうか(効果音)!」風の言い回しで終わることもあり、非常にテンポがよく、「そろそろ明智探偵くるよね」的な部分も予想がつくので、軽々と読める。「そんなことできるかなあ」というところもあるけど、ザッツエンターテインメントということで許せる、華麗な娯楽作品である。
三島先生、たぶん剥製じゃないあの役がやりたかったんじゃないかとちょっと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
驚きとともに読んだ本
- 感想投稿日 : 2017年10月5日
- 読了日 : 2017年10月5日
- 本棚登録日 : 2017年10月4日
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