あの夢の果てに (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房 (2004年4月27日発売)
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本棚登録 : 55
感想 : 10
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こういう話読むとほんとアメリカの田舎町っていやぁねぇと思う。こういう話がたくさんあるってことは、きっと「あるある」なんだよねぇ。(金田一少年とか読んで「あるある」と思う日本人は少ないと思うけど)

テレビ伝道師の未亡人×妻子を亡くしたドライブインオーナー(元獣医)。
ヒロインがなんでそんなにギスギスしてるんだ(理由ははっきりしてるんですが)と思うし、最初の頃の言動はあきらかに犯罪だし、ヒーローもヒーローで初登場から無愛想で感じ悪いし、ヒロイン息子をなかなか好きになれないし、夢のようなロマンスを読むつもりだとちっとも楽しくないんだけど、ヒロインの必死さがついページをめくらせる。屈折したヒーローの優しさもじわじわと浸透してくる。
エンディングのヒロインをすごくすごくひどい目に遭わせた人々への彼女の仕返しはなかなか気分が良かった。

あと本筋には関係ないんだけど、ヒロイン息子が自分をチップと呼んでくれと言ったときにヒーローが「あまたある名前のなかでチップという名は最上の選択とはいえない」と思うシーンがあるんだけど、チップのどこに問題があるのか(ヒロイン息子の本名はエドワードなのでそこが問題なのかもしれないけど)はっきり書いて欲しかった。何が問題なんでしょう、どきどき。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロマンス(現代)
感想投稿日 : 2012年5月14日
読了日 : 2012年5月14日
本棚登録日 : 2012年5月14日

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