世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

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本棚登録 : 9510
レビュー : 728
著者 :
piyopiyo27さん 小説   読み終わった 

その世界が終って欲しくなくて、ひさびさに読むのがとても遅くなった本。

友人が『映画を一本観終わったくらい』と表現してたけど、まさに。
読んでいてとっても楽しかった。

まるで、村上さんの意識の中を旅しているような物語。
人間失格など、近代文学でも多くテーマにされる、
自己と他者、内面と外面、個人と社会、といったような色んな事象を投影できる。

『僕には心を捨てることはできないのだ、と僕は思った。
それがどのように重く、時には暗いものであれ、ある時にはそれは鳥のように風の中を舞い、永遠を見わたすこともできるのだ。』

私たちは日々雑多な生活を暮らしていて、無益なこともしなければならないし、細かな刃で傷ついたり、疲れたりし、
それこそ壁に囲まれた静かで安定した世界にもぐりこみたくなる時もあるけど、
この重くて生温かい心を手に提げたまま、人生を生きていかなければならないのだなぁ、と、
改めて思った。



恋人と上手くいかなくなった時にやたらとカップルに目がいくように、
心が今欲している言葉を与えてくれるところが、
読書やめられない理由かもしれないな。

レビュー投稿日
2013年4月22日
読了日
2013年4月21日
本棚登録日
2013年4月22日
3
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『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2013年5月2日)

「心が今欲している言葉を与えてくれる」
それが先へ進むための原動力や、考えを整理するヒントになったりしますよね。
特に村上春樹の作品って、混沌とした中を進むから、読む人間が自分自身と重ね合わせ易いのかも?

piyopiyo27さん (2013年5月6日)

いや、ほんとそうです。
人生における教訓を読書からいただいて生きてます。
たしかに、春樹さんの小説はいろんな意味で決めつけすぎず、
感じ方、受け止め方はご自由にどうぞ、という感じなので、
余計にそう感じるのかもしれません。

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