チョムスキー入門

  • 明石書店 (2004年2月10日発売)
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本棚登録 : 84
感想 : 10
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生成文法を学べる本ではないので,この本から入門という形はとれないでしょう。しかし,いい本だと思います。最近の言語学では,チョムスキーは老害だと考える立場もありますが,チョムスキーほど自分の理論をより洗練させようと試みてきた言語学者はいないのではないでしょうか? もちろん,完全な理論はないので,問題点を指摘することはどんな観点からも可能ですので,批判をすること自体は自然なことですが,批判しっぱなし,というか批判のための批判で終わるものも多いと思います。チョムスキーが行う批判はそんなヤワなもんじゃない,ということが言語研究にも彼の社会哲学にも現れています。責任ある批判的態度は,老害とおっしゃる立場の人もそこは否定してはいけないと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 言語学-home
感想投稿日 : 2011年6月17日
読了日 : 2011年6月17日
本棚登録日 : 2010年4月4日

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