テーマは宇宙にとどまらない。
国際化の中での日本のありかたと、日本社会の中での研究者(学問)のありかたを本質的に問うている。
自伝に等しいこの本は、最初は研究の世界から始まる。望遠鏡から取得した成果を分析する天文学の世界。しかし、日本では肩身が狭い。天文学に対する理解が少なく、望遠鏡も小さい。
研究を進める途中で、日本で望遠鏡を作る話になる。夢を叶えるチャンスに著者が挑む。その瞬間に、物語は研究から政治・文化の世界へと広がってゆく。
外国に日本国の資産を置くことはできるか?
日本国の資産を外国人に使わせることができるか?
研究者はどのような立場で外国の望遠鏡に赴くのか?
税金は?手当は?法律は?
……と、なる。
著者はこの壁に挑む。真っ向から法律を変えさせる。真っ向から予算を取る。そして本当に実現させる。
天文学という切り口から見てもよし、日本の官僚制度という切り口から見てもよし。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年1月5日
- 読了日 : 2013年1月5日
- 本棚登録日 : 2010年11月1日
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