魯山人の食卓 (グルメ文庫)

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本棚登録 : 83
レビュー : 10
蜘蛛女さん  未設定  読み終わった 

取り立てて特別に驚きを誘う内容ではなかった。
当たり前のことを当たり前に述べている。
「鮮度の良い良質の食材を、適切に調理するのがよい」と。

しかし、昭和初期頃に書かれた内容であっても、十分に本質的に現代にも通ずる料理指南である点は立派であると思う。いや、むしろ食材は昔のものの方がはるかに美味であったかもしれないけれど。

ただ、私はこれを読みながら魯山人の孤独というものをひしひしと肌に感じた。これほどに「食」に対して執着するのは、つまりそれが無意識に幼少時の愛情の不足を補う術だったからではないか、と。

「食」は人をひととき幸福にする。そこに完璧さを求めた魯山人の姿から、虱にまみれた着物を着た寂しい男の子が見え隠れするようで、彼が「食」に対して真摯になればなるほどどこか読みながらやるせない思いがした。

レビュー投稿日
2011年2月6日
読了日
2011年2月2日
本棚登録日
2011年2月2日
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