話は変わっても根底に流れる描きたいもの、伝えたい事は変わらない気がします。やっぱり烏童さんだなぁと思う。立場が違うだけで物の見方というのは簡単に変わってしまう、いかに揺らぎやすいものかというのをいつも教えられる気がします。自分の目で見て自分の目で判断する事の難しさ。見てるようで考えてるようで、全然出来てないんですよね。
と、お堅く書きましたが、実際にはそんな堅苦しい描き方は全くされてなくて、そこがまたいつも凄いと思います。気負わせずに読ませる中にさらりと混ぜてるところ。いつもいつも。
ちょと抜けてて、でも真っ直ぐで真面目で人のいい進さんも、強面だけどお茶目な先生もかわいい。先生よりも更に厳つい顔の烈堂もかわいい。先生も烈堂も多分おじさまなのにかわいい。烏童さんの描くキャラは皆どこかお茶目でかわいいですよね。おふうに、しゅんとして、おふうがいなきゃ困るって教えるとこの先生とかとてもかわいかったです。もののけって言われたの実は根に持ってるとことか。先生は大きな黒い犬でもあります。犬の時もお茶目でかわいい。
タイトルから連想する通り生類憐れみの令の頃のお話。綱吉も予想外の描き方されてて、とてもかわいかったです。心の優しかった人。刑部の話は哀しかった。
御触れに犬関係が多めなのは俺のせいかもって混ぜてくるとことか面白いです。ファサードでもよくやってますが、この手法うまいし面白いし夢があるなーと思います。ロマン。
まだ謎な部分も多いし続きが楽しみです。
時代物って珍しいなと思ったけど不法救世主がありましたね。絵柄が合ってるせいでものすごく時代物っぽい(笑)
軽く調べてみたら、生類憐れみの令って悪法だったというような習い方をしたのですが、この本で描かれてる事の方が実際には近かったのですね。いまだに一定年齢以上の人は悪法として認識してる気がします。
- 感想投稿日 : 2012年2月28日
- 読了日 : 2012年2月28日
- 本棚登録日 : 2012年2月28日
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