羊と鋼の森

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本棚登録 : 7603
レビュー : 1258
著者 :
tsukitamaさん  未設定  読み終わった 

宮下奈都さんの本は3冊目。
「明るく静かに澄んで懐かしい」「少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている」「夢のように美しいが現実のようにたしかな」これらは主人公がつくりたいと願うピアノの音をあらわす言葉だけれど、宮下さんの文体はまさにこのような形容詞があてはまると思う。流れるようなのにちゃんと心に残る物語。

世界に溢れている美しいものを取りだして音楽にすることができるピアノ。そのささやかでダイナミックな作業に関わることへの喜びや畏れ、迷いが丁寧に描かれていた。
こつこつ、こつこつ。目指す場所を探しながら、一歩ずつ森の中を歩く。最後にたどり着けるとしても、たどり着けないとしても、それでも歩き続けるという確固たる意志が胸を打った。

そして、主人公にとってはピアノであり調律であったのだけど、世界にかくされた美しいものと繋がれる媒体ってピアノのほかにもきっと私たちの周りに溢れている。そう思わせてくれた。
なかなか時間がなくてずっと弾けていないけど、家のピアノの蓋をまたあけてみたいと思う。

レビュー投稿日
2017年10月23日
読了日
2017年10月23日
本棚登録日
2016年4月13日
8
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