昼の夢の終わり (現代歌人シリーズ8)

著者 :
  • 書肆侃侃房 (2015年11月17日発売)
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感想 : 2
5

歌は
今を唄ってこその歌のような気がして

今しか歌えない
この瞬間に どんな言葉を残そうか

生きる死ぬの境目が時の中で零れ落ちていくことに
誰も気づかないこのとの刹那に
本当は生きていて

残された言葉は
祈りのような気がして

生きていていいと言われたような気がする
風の音

葉の光と影の揺らめき
蝋燭のように危うくても確かに消えない
太陽の強さを

感じることが 辛くても
そのままで

唄えば
それは一つの救いとはいえないか

海辺に打ち上げられた形になれなかった貝殻を

その手ですくいとってやるだけで
それは許しとはいえないか

生きていていいよ
と歌ってくれる

残してくれた言葉が
それだけで優しくて
泣きたくなる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年12月23日
読了日 : 2017年12月23日
本棚登録日 : 2017年12月23日

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