歌は
今を唄ってこその歌のような気がして
今しか歌えない
この瞬間に どんな言葉を残そうか
生きる死ぬの境目が時の中で零れ落ちていくことに
誰も気づかないこのとの刹那に
本当は生きていて
残された言葉は
祈りのような気がして
生きていていいと言われたような気がする
風の音
葉の光と影の揺らめき
蝋燭のように危うくても確かに消えない
太陽の強さを
感じることが 辛くても
そのままで
唄えば
それは一つの救いとはいえないか
海辺に打ち上げられた形になれなかった貝殻を
その手ですくいとってやるだけで
それは許しとはいえないか
生きていていいよ
と歌ってくれる
残してくれた言葉が
それだけで優しくて
泣きたくなる
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年12月23日
- 読了日 : 2017年12月23日
- 本棚登録日 : 2017年12月23日
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