Sarah's Key

  • St. Martin's Griffin (2008年9月30日発売)
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本棚登録 : 36
感想 : 7
3

1942年パリから物語は始まる。
10歳のサラは、ある夜突然家にやってきた警察に
家族と一緒に連行させられる。
すぐに迎えに行くからと見つからないように、
幼い弟を秘密の隠れ場所に隠したサラ。
しかし彼女は、その後ユダヤ人収容所へと連れて行かれて……。

それと並んで進んで行くのが主人公ジュリアの話。
時は2002年のパリ。
アメリカ人向けの新聞でジャーナリストとして働くジュリアは、
ドイツ占領下時のフランスでのユダヤ人一斉検挙について調べ始める。
そうしているうちに、ジュリアはある少女、サラの話にたどり着く。

60年の時を経てリンクしていく。

サラの目から書かれたユダヤ人一斉検挙の話は胸を抉られる。
そのサラの話と、サラの秘密が明かされるまで。
そして、そのサラの秘密とジュリアの家族とのリンク。
そこが明かされるまでは、一気に呑み込まれた。

そこまではよかったのだけれども正直後半はがっかり。
勿体ないという気持ちが大きくなってしまった。
後半ジュリアの結婚生活の亀裂、
家族と焦点が当てられて行くのだけれども
今までの盛り上がりは何処へやら…という感じで。


同じように時代を経て物語がリンクしていく話で、
ホロコーストをメインとした話では以前読んだ
[Those Who Save Us]の方が良かった。

でも、この物語の軸になっているVel' d'Hiv'(ユダヤ人一斉検挙)。
ドイツ占領下であったとはいえ、行ったのはフランス警察。
10,000人のユダヤ人が連行され、
そのうちの4000人もが子ども達だったという。
その事実は長いこと隠されてきた。
フランスが抱えている闇。
このことについては知らなかったので
歴史的事実を知る上では勉強になった。

いつの時代にも闇は潜んでいる。
私たちは忘れてはいけないのだ。

翻訳本もあるようなので、興味のある人は是非。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年1月23日
読了日 : 2011年1月9日
本棚登録日 : 2011年1月9日

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