第三帝国の興亡〈3〉第二次世界大戦

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pokoritさん 世界史   読み終わった 

ヒトラーの次の標的はポーランドだった。第一次大戦後に領土を割譲した相手だけに、必然と言えた。しかしこれまでのオーストリア、チェコスロバキアと違い、ポーランドは断固とした態度でヒトラーの要求を拒絶した。ポーランドと連帯しつつもソ連を信用しきれない英仏を出し抜く形で、ドイツはソ連と接近してゆく。本書は政治、外交に関する経緯に詳しいので(軍事的にはそれほどではない)、この交渉の過程は圧巻と言える。

1939年8月23日、モスクワを訪問したリッベントロップ外相とロシアの間で、独ソ不可侵条約が結ばれた。秘密議定書では、ポーランドとバルト三国を両国の勢力範囲に分割する密約が盛り込まれた。ロシアはフィンランドへ攻め込んだが、ドイツはこれを非難しなかった。ヒトラーと「鋼鉄条約」を結んでいたムッソリーニは、戦備の整わないイタリアを英仏との戦争に導くことを恐れ、逡巡を重ねる。

ポーランド侵攻ぎりぎりまで、平和のための交渉は続くが、ヒトラーは既に戦争の意志を固めていた。1939年9月1日払暁、ドイツ軍は国境を越えてポーランドに雪崩れ込んだ。ヒトラーの予想に反してイギリス、フランスは宣戦し、世界大戦が始まることになった。

機甲部隊と空軍が連携した電撃戦の前に、近代化の不十分なポーランド軍は瞬く間に席巻される。時を経ずにロシアも侵攻。こうしてポーランドは再び地図から姿を消した。一方ドイツの西部国境では、戦端が開かれないまま「奇妙な戦争」と呼ばれる状態が続いていた。二正面戦争を避けたいドイツの思惑に沿う状況だった。

ドイツは西部での攻勢を始める前に、北海に出撃するための基地を確保するため、ノルウェーとデンマークを侵略する計画をたてた。ヒトラー自身が何度も独立を保証したにも拘わらず、1940年4月9日、ドイツの保護を受け入れるよう両国に最後通牒を突きつけ、侵攻を開始した。防衛の困難なデンマークは間もなく降伏。抵抗を続けていたノルウェーも、王室と政府がイギリスに亡命し、軍は力尽きて降伏した。

レビュー投稿日
2015年7月17日
読了日
2015年7月17日
本棚登録日
2012年3月3日
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