ベルリン陥落1945

  • 白水社 (2004年7月1日発売)
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感想 : 11
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 読了でなく読破というべきか。600ページ超の厚い本。慣れない地名・人名も続出で,読み通すのに14時間もかかった。
 とにかく国土を蹂躙される悲惨さだけは伝わってくる。総力戦の果ての市街戦の悲惨さは凄まじい。弾薬,燃料,食糧も足りない中「いかなるドイツ都市も無防備都市宣言をすることはない。国家に対する自明の義務に違反するドイツ人はすべて、生命をも名誉をも失うであろう」とは…。
 やはりナチス・ヒトラーは狂っていたとしか言いようがないな。一体全体なんでそもそもソ連に攻め込んだんだろう?報復を誓った赤軍の猛攻,恐ろしい…。夥しい犠牲を出しつつも,赤軍は1944年の暮れから東部戦線をみるみる西に追いやっていく。東プロイセン・ポンメルン,生身の兵隊が都市になだれ込む。
 戦車に踏みつぶされる兵士たち。家屋掃討。略奪,強姦,裏切り者への拷問・処刑。収容所放棄直前の囚人の処刑。ほんとうに地獄のようだ。
西部戦線の話はあまり語られないが,やはり東部戦線は顕著にひどかったのだろう。ドイツにはスラブ人蔑視があって,独ソ戦初期にソ連側にひどい扱いをしていた,その復讐の色が濃かったのも大きいんだろう。でもやはりロシア人(あるいはソ連の体制)の特性もあるんだろうか。満洲でも開拓民は酷い目に遭ったというし。
 日本は本土決戦をしなくて本当に良かったと思う。沖縄は戦場になったし,原爆は落とされたけど。大都市が無謀な抵抗の末に陥落していった第三帝国の崩壊は悲惨すぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 軍事・戦争
感想投稿日 : 2012年7月31日
読了日 : 2012年7月27日
本棚登録日 : 2012年6月27日

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