イタリア古寺巡礼 (岩波文庫 青 144-6)

  • 岩波書店 (1991年9月17日発売)
3.91
  • (20)
  • (14)
  • (19)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 221
感想 : 22
5

こんな繊細な旅の楽しみ方があるんだと気付かせてくれる。
草木から地域や国々の風土や国民性の違いを分析し、一つの建造物から多面的なモノの見方をする。
イタリアを旅する人には一読の価値、いや必読の価値あり。



【いつしかのメモ】

木が手入れされたように綺麗 ヨーロッパは薄い緑色の雑草で多くはない
ローマ建築は質よりもその大きさや量で圧倒する
サン・ピエトロ ミケランジェロは堂全体を支配している丸屋根やその下の部分 だが正面からは見えない
最後の審判もごたついたように見えるが、実際は複雑な構図のためにかえって全体がきちんと整って見える
イタリアと日本は似ている→生活が寒さよりも暑さに制約される。寒い国では体を引き締める習慣がつくが、暑い国はだらける場合が多い。そのためドイツにはいい体格をしたい人が多い。イタリアは日本と同じで貧弱でことに女に日本風の痩せ方をする。
闘技場の音響
ギリシャ建築は豊かな内容を持っていながらそれに強い統一感を持たせ、その結果結晶してくる単純さ
ジョットーは立体的に彫刻的な絵を描く
ボッティチェリは近くで見たときの線の美しさ
ヴェネツィアはモザイクで有名。アッティラが攻めてきたときの避難の島としてゲルマン人の影響を拒み独立して国家として成立
ローマ フィレンツェでもイタリアルネサンスの偉大な絵を見ても色彩が足りない。写真以下。しかしヴェネツィアは写真を凌駕する色彩に富む。ティチアンが至高

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月28日
読了日 : 2019年9月24日
本棚登録日 : 2019年9月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする