カーライル博物館

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  • 青空文庫 (2000年8月31日発売)
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この作品は、夏目漱石がイギリスのロンドンに留学していた頃の出来事や、体験が元になっており、帰国後に執筆されたものです。留学中、漱石はロンドンのカーライル博物館という場所を気に入り、何度か訪れました。カーライルというのはイギリスの歴史家で、その人の旧邸が博物館(記念館)という形で、一般に公開されていました。漱石がその博物館を見学したときの体験が「カーライル博物館」という作品として残りました。エッセイなので普通の小説というよりは朗読調の文章です。博物館を回ったときの印象や雰囲気が、小難しく、けれど繊細に描かれています。登場人物の一人で、博物館の中を案内してくれる婆さんがいるのですが、その婆さんが生き生きと面白く描かれています。博物館では名簿に名前を書くよう促されるのですが、そこに日本人らしき名前はなく、漱石は日本人でここにきたのは自分が初めてだと喜びます。漱石は音に敏感だったカーライルが、静けさを求めて四階の部屋で仕事をしていた事実に共感します。かなり早い段階から漱石はカーライルに尊敬と共感の念を抱いており、この作品以外にもカーライルが登場する作品があります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年10月14日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年10月14日

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