この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

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本棚登録 : 89
レビュー : 12
著者 :
ぽんだなさん 10 哲学   読み終わった 

どういう経緯で普通の人が心を病むのか、社会の構造や景気の落とし穴にぽっこりはまってしまうことがよくわかった。また、なんといっても、本来であるなら、そういう人たちを助け上げる立場である精神科病院や役所がまったく本人にとってエンパワーメントするものになっていないということに愕然とした(すべての病院や役所がそういうわけではないかもしれないが、少なくとも著者の経験の場合は病院や役所そのものが、社会的な穴に落ち込んだ人をそのまま穴に押し込めている役目をむしろ積極的に推し進めるものとなっていた)。そして、著者がその負のスパイラルから脱出するきっかけが、病院になにげに置かれていたNPO法人の雑誌であったこと、そして、そのNPO法人に(募集をしていたわけれもないのに)ダメ元で編集経験があるので雇ってくださいと電話したことというのが、本のなかでは見逃しそうな小さな一文だけど、著者の人生を変える大きな転機だったってことに注目した(今まで著者は、病院が就職先を探してくれる、役所の生活保護ワーカーが探してくれると他力だったが、ここだけは自分から電話をかけるという能動的な行動に移している!)。当人が社会で生きていくためのエンパワーメントってなんだろうとつくづく考えされられた本。

レビュー投稿日
2018年5月7日
読了日
-
本棚登録日
2018年5月7日
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