雪女 (日本の童話名作選シリーズ)

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レビュー : 17
ぽんきちさん 児童書   読み終わった 

小泉八雲の「怪談」の一編。伊勢英子(いせひでこ)による絵本化である。

木こりの老人、茂作とその弟子の巳之吉は、ある夕暮れ、山から帰る途中でひどい吹雪に遭う。小屋に逃げ込んだ2人は、寒さにふるえながらも眠りに付く。
ふと目を覚ました巳之吉は、白い服を着た女が茂作の上にかがみ込み、息を吹きかけているのを目にする。
そう、女は雪女。怖ろしい目をした、しかし、非常に美しい女だった。
女は「おまえもこの老人と同じ目に会わせてやろうと思ったけれど、かわいそうだからやめた。でもこのことは決して人に話してはならない」と告げて去る。
女が立ち去り、我に返った巳之吉が茂作を呼ぶと、老人は冷たくなって死んでいた。

おなじみの「雪女」である。
伊勢の絵は美しく、硬質だけれども繊細な雪の結晶の描写がすばらしい。
秘密を漏らされ、怒りに震える雪女の白い姿に、わずかに紅が差す。怒りか、哀しみか。その瞬間、永遠に冷たいはずの雪女の体内を、あるはずのない赤い血潮が駆け巡ったようにも見える。その壮絶なまでの美しさ。

雪女は恋した男の元に嫁ぎ、10人もの子をなしたのだという。
それでもなお、その子らを捨て、本当に帰らねばならなかったのだろうか。
そのまま人間になってしまうことはできなかったのだろうか。
去った雪女の行方は杳として知れないという。

*8月10日記。何か、このころ、暑かったので、雪女が読みたくなったのでしたたw

レビュー投稿日
2017年8月17日
読了日
2017年8月17日
本棚登録日
2017年8月17日
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