
岡倉天心が明治時代に英語で著わした『茶の本』の原文・翻訳文に、第十五代・千宗室が序文と後書きを付したもの。今回は主に和文で読む。列強に伍して行こうとする中で、一段低く見られている日本文化を英文で紹介しようとした天心の気概が強く感じられる1冊。次回は原文に挑戦したいと思う。利休切腹の凄絶な描写には粛然とさせられる。朝顔の話、琴の話も感銘を受ける。個人的には、そうか、茶の湯と禅て結びつきが強いんだよなぁと改めて感じたのが一番の収穫。床のしつらえから亭主の意を組み取って、というのも、ある意味、禅問答に通じる感がある。第十五代・千宗室の特攻時代の経験談は、以前も別の場所で聞いたことがあるが、改めて読むとやはりうならされる。
- レビュー投稿日
- 2009年11月23日
- 読了日
- 2009年11月23日
- 本棚登録日
- 2009年11月23日
『茶の本 (講談社バイリンガル・ブックス)』のレビューへのコメント
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