今まで美術史畑で、作品を軸にした論文ばかり読んでいたせいかその自由な思考連鎖に驚いた。テーマに合わせて、作品の歴史的背景をムシして取り上げ、様々な理論と接合することにより、著者神話を作り上げている部分も否めないが、新たな問題意識を持たせられた。
今まで当たり前に受容してきた絵画作品が薄っぺらいモノに表象されていること、美術史として取り上げてしまうことで、観者の視線がないがしろにされていることもあるということなど、改めて感じさせられた。
「表層にこそ意味がある」作品自体に視線を向けず、解説書を読んで分かった感覚に陥ってはいないだろうか。シュールレアリスムに関わらず、そんなことを思わされた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
PHILOSOPHY
- 感想投稿日 : 2012年5月3日
- 読了日 : 2012年5月1日
- 本棚登録日 : 2012年5月1日
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