蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)

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本棚登録 : 822
レビュー : 115
著者 :
popcherryさん 和書   読み終わった 

ずっと読みたくて、でも大筋で話が分かるから情けなさすぎで読むのを躊躇っていたこの本。
読んでみると、まず主人公が思っていたよりずっと若く、今の自分と大して変わらない歳であることに驚く。
そして、女性の方からも何らかの思わせぶりな誘惑があったのかと思っていたのに、他に恋人を作って全く主人公を意識もしていないという。
ほんとに、全て主人公の妄想で、ただ結婚生活に飽きた男が若い娘にときめきたかっただけの話。
現在絶賛育児中のわたしからすれば、ふざけんなと言いたくなるけど、こういうのって男性も同じなんだとわかった。

そして、合わせて収録されてる話。
『蒲団』にしか興味なかったので、読まずに返そうかとも思ったが、読んでみるとなかなか面白かった。
生まれつき通常の状態ではないということは不幸なことだと思うけど、自分で身上を持ち崩したのに反省もせず、周囲に迷惑ばかりかけている人間でも、亡くなった後はきちんと弔ってやらなければならないというのは理不尽だなと思う。
死ねば今生の罪は消えるということか。
それでは、あまりに釣り合わないと思ってしまう。
けれど、多くの人間から憎まれ恨まれることが、ある人物のエネルギーとなって迷惑行為をなすのなら、その原動力となる負の感情を持たないということが、実は一番平和への近道なのかもしれない。
すごく難しいことだけど。

レビュー投稿日
2015年11月9日
読了日
2015年11月9日
本棚登録日
2015年11月6日
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