生麦事件の暗号

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  • 講談社 (2012年6月12日発売)
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感想 : 4

今年は生麦事件から150年である。著者は前の神奈川県知事(今、都知事選に立候補しているが、当選は無理だろう)。生麦事件について私も含め大方の人は、馬に乗ったイギリス人が、薩摩藩の大名行列を横切って護衛の武士に無礼打ちされた、という単純な視点で見ているのではないか。しかしこの本で読む限りなかなか不運なケースであったようだ。まず無礼打ちは勿論武士に与えられた権利ではあるのだが、およそそんな事で切り殺された町人はほぼいないらしい。江戸時代には確かに法は存在するものの、実態とはかなり異なる運用をされていたものも多いとのこと。また、行列も町人が行列を横切れるように途中途中を空けており、そこは自由に横切れた。さらに異人も行列に遭遇すれば馬を下りるのは常識として実施されていたし、馬に乗っていても大人しくしていれば問題なく、行列の側も、件の英国人に脇によるよう再三指示していたらしい。実に運が悪かったとしか言いようが無いが、乗馬の異人をジャンプして一刀の基に致命傷を与えた薩摩藩の武士は凄い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年1月19日
読了日 : 2012年12月6日
本棚登録日 : 2012年12月6日

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