YMOのONGAKU

著者 :
  • アルテスパブリッシング (2019年3月25日発売)
4.56
  • (11)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 130
感想 : 10

著者は「増殖」から散会まで、YMOのアシスタントを務めたのち、シンセサイザープログラマーとして数々の著名アーティストと制作やプロデュースを行っている。YMOのアルバム制作裏話や松武秀樹らとの対談が面白い。
ファーストアルバムのイエローマジックオーケストラ、松武さんは日本版の方が音量やバランスを細かく微調整していて好きだとのこと。US版は音を上げたら上げっぱなしで、その分締まった音にはなっている。個人的にはUS版の方が派手で好きなのだが。意外だったのは、このアルバムが当初アルファレコード経営陣には評判が悪かったこと。アルファレコードと云えば先進的な音楽を売り物にしているイメージが有ったのだが、「今まで耳にしたことのない難解な現代音楽に正直あっけにとられ、社長と顔を見合わせて当惑した」という。でも私の周辺では一発ではまった人が結構いたんだよなぁ。
テクノデリックの「体操」これが当初インスト曲としていたことに驚き。教授がこのメロディに歌詞を付けて歌メロにしようと提案。あと「京城音楽」では、このころ教授は沈んでいて、それがソウルに行って元気になって帰って来て、そんなフレッシュになった気持ちが込められているらしい。このアルバムではこの曲が一番好きだから、良い話だと思った。また、「階段」や「前奏・後奏」なんかで使われている工場の音は、田町のアルファスタジオの近くの工場で、アルファのエンジニア飯尾氏(YMO・立花ハジメ・戸川純らのレコーディングに多く関わる)が録音してきて、幸宏や教授がそれをとても気に入って使ったとのこと。
「浮気なぼくら」のアルバム、幸宏が「君に胸キュン」を作りながら、「YMOって歌謡曲のバンドだったんだ」って言われて消えるのがかっこいいと言っていた。私も最初に聞いたときは、ふざけているのかと思った。その後TVとかで歌っているのを見ても違和感ありまくりで「何で?」って感じた。しかしその後、結構かっこいいなと思うように…これもファンふるい落としの一環だったのだろうか。因みにこの曲の「キュン」は細野さんと教授がシンセで作ろうとしたが上手く出来ずに断念。「しょうがない、声でやるか」となった。でもアブソリュートエゴダンスの掛け声「ヒュン」はシンセなのだが。
人気曲の一位は「東風」二位が「ビハインド・ザ・マスク」で三位は「テクノポリス」「ジャム」「音楽」。「東風」は大好き、納得。でも同じくらい好きな「Nice Age」は10以内に入っていない、何故だ。
しかし、あの三人でもYMOの名は余りにも大きく、細野「大変だったですね」幸宏「自分達じゃ、もうコントロールできなかった」教授「YMO恐怖症だった」けど、歳とってからそのトラウマは無くなったらしい。
だから今では楽しそうに三人で集まって色々やってるんだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月6日
読了日 : 2021年3月3日
本棚登録日 : 2021年1月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする