前半は登場人物が少ないせいもあって恐ろしいほど読みやすい。前半の勢いに乗れば後半も引き込まれると思うので、多読初心者さんにもおススメできそう。「Room」に監禁されていた親子。無事脱出してハッピーエンド!・・・ではなくもっと大変なのはその後から。Jackが世間に適応できず、周囲の人が困惑する様は読んでいて切なくなる。Maがinterviwerから問われることは確かに外の世界に居たらいくらでも選択肢が出てくるだろう。所詮は他人事だからそう言えるのだと思う。極限状態の中で人間がひねり出せる結論などたかが知れてる。Jackがゆっくりと「普通」の子供になっていく様子は『アルジャーノンに花束を』を思い出させる。ある単語をJackはいつまでも間違えていてそれはいつ間違いに気づくのかな・・・こういう細かな点で登場人物の状況を描写していて感動してしまった。映画も楽しみ!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヒューマン
- 感想投稿日 : 2016年3月22日
- 読了日 : 2016年3月19日
- 本棚登録日 : 2016年3月7日
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