やがて目覚めない朝が来る

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本棚登録 : 303
レビュー : 69
著者 :
mmmさん 小説   読み終わった 

大島さんのまだ読んでなかった小説。

ふきさんと主人公ゆかのお母さんのお話。
ゆかのお母さんみたいなサッパリしたキャラの人が大島さんの小説にはよく出てくる気がする。
家族がテーマなのかな。

☆気になったぶぶん

蕗さんは、何遍やり直しても、同じ選択をして、同じような後悔をするのではないか、と、運命とか、宿命とか、そういう大袈裟な話ではなくて、その人の領分、とでもいったらいいか。この人の領分で精一杯動いたところで、どうしたってこれだけのものはあふれ出てしまう、こぼれ落ちてしまう、というような。もちろん、違う選択だって出来ただろう。子供を堕ろして、舞台に専念したってよかった。でも、そうしたからって、後悔はやっぱり残ったはずだ。
→なにをしても後悔するんじゃないか。っていうのは、誰にもでもあるんだろうなぁ。ってすーごく思った。

愛って難しいから、有加は、愛に応えたらだめなのよ、とミラさんは言った。愛してくれる人達みんなをがっかりさせてやればいいのよ。みんな年を取ったから、有加に自分が学んできたことを教えようとするでしょう。同じ失敗を繰り返さないように、って。愛する有加のためを思って。だけどね、有加。そんなものはいらないのよ、って思ってなさい。勝手なことして、失敗して、泣いて、のたうち回って、何やってんだろあたし、なんてばかなんだろ、って自分で自分にがっかりするくらいでちょうどいいのよ。そうやって、好きなように生きたらいいわ。思いっきり、生きたらいいわ。失敗したら。みんなはがっかりするでしょうけど、みんなをがっかりさせないために生きることは、ないのよ、有加。あなたはあなたの好きなように生きたらいいの。
→みんなをがっかりさせないために生きることはない。ってとってもいい言葉だなって思った。応える人生は自分の人生じゃないよなーって。

本当言えば、私は、病院中に触れ回りたかった。この人がどういう人だか知ってますか、と。この人の人生がどんな人生だったか、あなた知ってますか、と大声で知らせて回りたかった。いろんな人に蕗さんのことをわからせたかった。わかってもらいたかった。たんなる一人の病人として、たんなる一人の惚けた老人として扱われている蕗さんに、特別な重みを加えたかった。この人を見て!と。もっとちゃんと見て!と。蕗さんという人の歩みを、その重みを知ってほしかった。でも、すぐに思い直さずにはいられない。それを言うのならば、誰も彼も、特別ではないか、と。私が知らないだけで、あの人も、この人も、それぞれが、それぞれの、特別な道のりを歩んできているのではないか、と。なにも蕗さんだけが特別なわけではない。そして、誰よりも、蕗さん自身がそれを一番よくわかっていた。
→確かに、舞台に立っていたからってそれが特別ってわけじゃないかも。誰もかれもが不器用ながらにでも一生懸命生きてる。そんなもんだよね。それぞれ一人一人が特別。

レビュー投稿日
2010年12月11日
読了日
2010年12月11日
本棚登録日
2010年12月11日
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