歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

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本棚登録 : 247
レビュー : 18
制作 : ジャレド・ダイアモンド  Jared Diamond  ジェイムズ・A・ロビンソン  James A. Robinson  小坂 恵理 
prigt23さん  未設定  読み終わった 

歴史にIFを持ち込む、ジャレド・ダイアモンド編による一冊。異なる分野のスペシャリストが、それぞれの分野の「歴史」について考察する。

「歴史にIFはない」という正しいのか間違っているのか、よくわからない(根拠が明確でない)「縛り」を取っ払い、仮定をして実験してみる、とだけ聞くと「本能寺の変がなかったらどうなっていたのか」といった感じで正直うさんくさい。ただこの本で繰り広げられていることは、あらん限りの数値を用いて、考えられる限りの変数を持ち込んでいて、なかなか説得力がある。

たとえば「奴隷貿易はアフリカにどのような影響を残したのか」という章では、結果「XXという結果を残した」という結論だけを重視せず、その結論を得るまでの過程、プロセスをいかにして組み立てたのか、因果関係と相違関係をどのようにして見分けたのか、得られた結果をどのように理解するべきなのか、に多くのページが割かれている。

同様の内容が「仮に」新聞に掲載されたとすると、『今も残る帝国主義の爪痕』といったタイトルに、奴隷貿易がもたらした結果だけが記事として添えられ、貧しいアフリカの農民の写真も載せられていることだろう。(それが「なんとなく正しいあり方」であると感じるのはあまりに素朴だと思う)

そういった素朴さと無縁の世界が覗けてとてもよかった。

https://twitter.com/prigt23/status/1018133148100542464

レビュー投稿日
2018年7月14日
読了日
2018年7月14日
本棚登録日
2018年6月30日
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