廃墟都市の復活〈上〉 (創元SF文庫)

  • 東京創元社 (2018年11月21日発売)
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感想 : 5
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ついに読み終えた移動都市クロニクル。
「移動都市」「略奪都市の黄金」「氷上都市の秘宝」の続編「廃墟都市の復活」は、第4部にしてシリーズ最終章です。
第3部で砂上に消えたヘスター。彼女と離れ離れになったトムは、愛娘のレンと共に飛行商人として生計を立てる。ヘスターと喧嘩別れして以降、抜け殻のようになったトムであったが、とある街で思わぬ人物を見かけたことをきっかけに再び冒険の舞台に踊り立つ。思わぬ人物とは今はもう廃墟と化した故郷ロンドンの知り合いだったのだ…

あらすじと登場人物紹介によって(そして表題からも)、ロンドンの旧知が再登場することがわかります。そんな久しぶりに登場したロンドンと、ヘスターとシュライク、セオやオイノーネ、そしてアナ・ファンとフィッシュケーキなどなど、様々な視点で展開する物語は、これまでの作品と同様、抜群のリーダビリティでぐいぐい読み進められます。物語は後半から、トムとヘスターの結末がなんとなく予見でき、その通りのラストに。なんというか、第1部から読み進めた読者としては、この結末には正直喪失感を覚えます。が、それでも第1部の出来事以降続いてきた一連の厄災に対して、彼ら自身で決着をつけたという意味では納得できる結末かと。ただ、ラストのトムとアナ・ファンのくだりはちょっと安直かな…笑
ヘスターはトムから許しを得て、再び仲良くなれたという点では良かったのかもしれませんが、なんだか報われない人物だったなぁと。もちろん自業自得もあるのでしょうが。一方、シュライクで終わらせる閉じ方は結構好き。トムとヘスターの物語に残る喪失感を散らしてくれた気がします。

と、まぁドキドキワクワクの冒険譚を楽しみながら読み進めたシリーズもこれで終わりかと思うと、もの哀しさが込み上げますが、あらためて読めて良かった作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2019年3月11日
読了日 : 2019年3月4日
本棚登録日 : 2019年3月4日

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