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デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)
- フランク・ハーバート
- 早川書房 / 2016年1月22日発売
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いやぁおもしろかった!!
奥行きのある世界観や壮大な人類史、舞台となる惑星アラキスの緻密な設定に加え、預言者として苦悩する主人公ポールたちの人間模様…しかし、プロットはど直球な復讐劇。これら全ての要素が重なり合って抜群のエンターテイメントを提供する本書は、ヒューゴー賞と第1回ネビュラ賞のダブルクラウンに輝く「デューン 砂の惑星」です。
解説によると、1975年からスタートし、およそ12年ごとに読者投票されるローカス賞「オールタイムベスト」において、4回連続(1975年、1987年、1998年、2012年)の1位となっているよう。これ地味に凄いですね。でもなんとなく納得。とてもSFらしい作品だと思いますし、王道展開の節々で垣間見られる深遠さは、読者の心を掴んで離さないかと。
続編もあるようですので、随時読み進めようと思います。(ただ、絶版の気配が…)
2024年4月15日
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一人称単数 (文春文庫 む 5-17)
- 村上春樹
- 文藝春秋 / 2023年2月7日発売
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エッセイ的な小説が多かった。改めて思うのは、この人、やっぱり話がうまいなぁということ。
「『ヤクルト・スワローズ詩集』」や「品川猿の告白」なんて、話の持っていきかたやとじ方に面白さを通り越して、感心する感じでした。
気軽によめる村上春樹という感じで、これはこれでいいのではないでしょうか。
2024年2月20日
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超動く家にて (創元SF文庫 み 2-3)
- 宮内悠介
- 東京創元社 / 2021年4月12日発売
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しょうもない(褒め言葉です)物語から、しっとりする物語まで、幅の広い作品が多く楽しめました。ちょっと期待しすぎた感じもありますが。。
2024年2月5日
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特別料理 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- スタンリイ・エリン
- 早川書房 / 2015年5月8日発売
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2024年最初の一冊はスタンリイ・エリンの短篇集。
表題作はもはや古典といえるような作品となっているようで、確かに色々と後世の作品に影響を与えていそうだなと思わせる物語でした。それ以外も一癖ある作品ばかり。基本的にしっぺ返しを食うような作品が多い印象ですが、どこか教訓めいた印象を受けたりもします。個人的に、「決断の時」は巧いことオチをつけたなぁと感心。
2024年1月18日
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ゲームの達人(下)
- シドニィ・シェルダン
- アカデミー出版 / 2010年9月10日発売
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読む手が止まらないとは、こういう作品のためにある言葉。
ただ、読み進めるうちになんだか虚しくなってしまったのは私だけ?ケイトの傍若無人さに嫌気がさし、イブの狡猾な立ち振る舞いをみて、この物語には人の気持ちを奮い立たせる大切な何かが抜け落ちていることを知りました。
うーん、でも確かにおもしろいのはおもしろいんですけどね。
2023年12月30日
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サラマンダー殲滅下 (徳間文庫 か 7-12)
- 梶尾真治
- 徳間書店 / 2018年12月7日発売
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うーーーーん。この終わり方は好きじゃない。
2023年12月15日
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高層の死角 (角川文庫)
- 森村誠一
- KADOKAWA/角川書店 / 2015年2月25日発売
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高層の死角というタイトルの割に、密室のトリックは早い段階で明らかになる。そこからはアリバイ崩しの考察がメイン。
ただ、アリバイ崩しに興味を持てない人間なので、そこまでの面白さは感じられず。。
2023年11月27日
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ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)
- レイ・ブラッドベリ
- 東京創元社 / 2006年2月27日発売
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約3年ぶりのブラッドベリ。
肌寒くなってくるころに彼の小説が恋しくなりますが、できればゆったりとした精神状態で読みたいところ。ここ数年はドタバタしていたので中々手に取る気分になれませんでしたが、ちょっと落ち着いてきたので、こちらの作品を読了。
タイトルどおり(?)、宇宙に関する作品が多く掲載。宇宙に対する憧れや恐怖、理不尽さや故郷への哀愁など、様々な思いが繊細な筆致で描かれます。
「『ウ』は宇宙船の略号さ」、「初期の終わり」と、初っ端から宇宙への憧憬を描く作品が続き、なんだか純粋な気持ちに。ただ、その後は「宇宙船乗組員」や「長雨」、「この地には虎数匹おれり」といった、宇宙の理不尽さや脅威、残されたものの焦燥感を描く作品も。また、「霧笛」や「雷のとどろくような声」は宇宙とは直接関係ありませんが、どちらも趣がある作品。前者は、未知のものがあらわれる情景がまざまざと浮かびますし、未知のものへの恐怖ではなく、その孤独さに心を打つ作品。わずか20頁ながら素晴らしい作品だなあと。後者はバタフライエフェクトを描く古典的作品。
個人的にすごい興味を抱いたのは、最後に収録される「駆けまわる夏の足音」です。これ、単に新しいテニスシューズの履き心地は最高だ!って感じの作品で、物語だけを追うと何ともない作品なのですが、そんな微細な感情をここまで豊かに描くのだなぁと感心。これは解説にも助けられました。
2023年11月19日
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トップガン マーヴェリック ブルーレイ+DVD [Blu-ray]
- ジョセフ・コシンスキー
- パラマウント / 2022年11月2日発売
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続編としてとても素晴らしい作品だなあ。めちゃ面白かったです。
2023年11月5日
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逆まわりの世界〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-41)
- フィリップ・K・ディック
- 早川書房 / 2020年7月2日発売
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死者は墓から蘇り、生者は若返って子宮へ回帰する。そんな時間逆転現象が起こった「逆まわりの世界」が舞台。死者の再生と売却を請け負うセバスチャンは、ユーディ教の始祖ピークを掘り出したことをきっかけに、ピークをめぐる様々な派閥の抗争に巻き込まれ…
死者は蘇り、生者は子宮に帰る?なんというトンデモ設定。面白いのはこのトンデモ設定を実生活にまで落とし込んでいるところ。例えば、本来、生者は食物を食べて消化しますが、この世界では生者は食物を胃袋から皿に戻します。あるいは、子宮に帰る生者のためにあえてセックスをしたりと、なんだか因果関係がめちゃくちゃ。だけでなく、蘇った死者の売却権は発掘者に帰属したりと、この世界を前提にした社会構造も出来上がっているよう。ただ、ここまで実生活に落とし込まれると、読み進めるうちに、いろいろ矛盾を感じてしまって、破綻した設定に感じてしまうのですが、それはそれとして、強引に物語を展開する剛腕はディックならでは、といったところでしょうか。ディックだから許してしまえる気もします。
2023年10月29日
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新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
- 倉知淳
- 講談社 / 2017年7月14日発売
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うーん、そうきたかぁ。それは予想だにしなかった・・・
2023年10月19日
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あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
- テッド・チャン
- 早川書房 / 2003年9月30日発売
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2012年7月初読。
2023年10月再読。
先日読んだテッド・チャンの第二短篇集があまりにも面白かったので、10年ぶりにこちらを再読。相変わらず面白い。
再レビューにあたり、初読時のレビューを読み直しましたが、なんと若い…SFを読み始めたぐらいの時期でもあり、今読むととても恥ずかしい内容ですが、まあそのまま残しておこう。
第二短篇集は、テクノロジーの進化が人間の挙動にどのような影響を与えるか、といった作品が数を占め、全体的にスマートな印象。
第一短篇集でもそういった作品はありました(「顔の美醜について」とか)が、こっちの方がバラエティに富んでいる気がします。まさかのバトル展開に突入する「理解」のような作品もあれば、魔術のようなものを科学的に採用した「七十二文字」のような作品もある。読後、言葉で言い表せない気持ちにさせる「あなたの人生の物語」をメインディッシュに、フルコースを楽しんでいるようでした。
さて、表題作。
初読時は物語のからくりを把握した時のインパクトが強く、とても印象に残った作品でした。再読時は、そのインパクトはもちろん抱きつつも、ヘプタポッドの時間認識のあり方、つまり原因と結果を同時に知る同時的思考に興味を抱きました。よくこんなこと思いつくな、というありきたりの感想はさておき、この思考に対して、悲しさを覚えるのは私だけでしょうか。第二短篇集でも感じる著者の運命論的な主張にも通じる思考だと思いますが、何事も、何をなすにしても結果を知らないからこそだと思うんですよね。でもこれは人間的な発想であって、ヘプタポッドはそうではないのか。原因と結果を同時に知るって、どんな気持ちなんでしょうね。それこそ、物語の結末で「わたし」が行き着くところなんでしょう。だから、この作品には、言葉で言い表せない気持ちにさせられるのです。
<以下、初読時のレビュー>
新進気鋭のテッド・チャンが紡ぐ8つのストーリー。
そのうち以下に示す作品は、栄えたる賞を受賞した。
・バビロンの塔*ネビュラ賞
・表題作*ネビュラ賞*スタージョン賞他
・地獄とは神の不在なり*ネビュラ賞*ヒューゴー賞*ローカス賞他
『バビロンの塔』にいたっては、デビュー作にしてネビュラ賞を獲得するという史上初の快挙。
なんたる才人!読む前に変な先入観を抱いてはいけないのだが…知ってしまったのだから、仕方がない。
そして、読破。
期待を裏切らないテッド・チャン。
なんといっても表題作!これがズバ抜けて素晴らしかった。
優しいモノローグに記された驚くべき運命。
エイリアンとのコンタクトにより獲得した力は、果たして幸福に通じるものなのだろうか…
何かを隠喩した描写が節々で見られるからであろう。
読後に包まれる微妙な余韻は、表題作に限らず。
また、作品を通して物理学や数学など著者の嗜好が見受けられたが、なかでも言語学についての見識が深く、興味をそそられる内容であった。
他のお気に入りは、『ゼロで割る』『地獄とは神の不在なり』『顔の美醜について-ドキュメンタリー-』の三篇。これらもまた優れた作品。
まったく、面白い視点で物事を捉え、面白い物語に仕上げる人だ。
2023年10月13日
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再読了日:2023年10月13日
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小説 上杉鷹山〈上〉 (人物文庫)
- 童門冬二
- 学陽書房 / 1995年11月9日発売
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「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
子供の頃から大切にしている言葉。高校受験はこの言葉を胸に勉強に励んだな、としみじみ思うところ、いまだに上杉鷹山の小説を読んだことがなかったので、今回、ようやくその活躍を知ることができました。
米沢藩の財政を建て直したということは聞いたことがあるのですが、その実態は決して容易な道のりではなかったようです。藩のしがらみや伝統を重んじる重鎮らによる妨害、改革を主導してきた側近の堕落など、困難に次ぐ困難の連続で、いつ気持ちが萎えてしまってもおかしくない状況が続きます。しかし、鷹山は決して諦めることなく民のために行う改革を貫きます。その結果、民衆だけでなく、改革に反対していた役人らも鷹山に賛同し、藩の財政は再建の一途を辿ることに。
単なるサクセスストーリーではなく、苦難と失敗の先に辿り着いた財政再建ですから、冒頭の言葉に重みを感じます。単にやればできる、という言葉ではないんですね。この重みを知ることができたのは、とても大事な読書体験でした。
2023年9月20日
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残穢(ざんえ) (新潮文庫)
- 小野不由美
- 新潮社 / 2015年7月29日発売
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まったく怖くないか、とてつもない恐怖を感じるか、評価は二分される気がします。
直接幽霊が登場するわけではなく、目に見える形で危害を受けるわけでもない。ただ、常識では考えられない存在を確かに感じる。そしてそれらは、我々ではどうしようもない強大な力を蓄えていて、いつ、誰に行使されるかわからない。そんな理不尽な恐怖を描く本作は、小説の域を飛び越えて、現実世界にも忍び寄ろうとしているからタチが悪い。それが本作にとてつもない恐怖を感じる所以だと思う。
2023年9月14日
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戻り川心中: 傑作推理小説 (光文社文庫 れ 3-4)
- 連城三紀彦
- 光文社 / 2006年1月1日発売
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悲しい物語ばかりだ…
2023年9月8日
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息吹 (ハヤカワ文庫SF SFチ 4-2)
- テッド・チャン
- 早川書房 / 2023年8月2日発売
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短編集「あなたの人生の物語」を大いに楽しめたものからすると、この第二短編集には期待値爆上げ。ただ、寡作の作家だし、これを読み終わったらテッド・チャンの新たな作品は読めないんだなと思うと、読みたいけどなんだかもったいない、後にとっておきたい、という貧乏性の気質がムクムクと顔を出し、ついに単行本は手に取らず。が、たまたま本屋で文庫版を発見し、思わず購入。だいたい期待値が高いと、肩透かしを食うことが多いのですが…読んだタイミングも良かったのかな、めちゃくちゃ楽しめました。
全9篇。うち既読は「商人と錬金術師の門」「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」「息吹」の3篇。前の2篇は初読も再読もすーごい面白かったのですが、「息吹」だけは初読でヒットせず。再読となった今回は「あれ、めちゃくちゃ面白くないか?」と評価を改めることに。
残り6篇のうち、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」「不安は自由のめまい」は設定からユニークで、思索に耽ることができました。特に後者は個人的にめっちゃヒット。
◉商人と錬金術師の門
「この世にはもとに戻せないものが4つある。口から出た言葉、放たれた矢、過ぎた人生、失った機会だ」
この作品に限らず、著者の作品からは「過去は変えられない」「運命は決まっている」という強い主張を感じます。が、それはそれとして、じゃあ何をしても無駄なのか、というと決してそうではない。その問いに対するひとつの回答を本作は示してくれているような気がします。
◉ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル
初読の時は物語として面白かった覚えがあるのですが、子育てをして、我が子の成長を日に日に感じるようになった今回は感じ方が違いました。なんだか登場人物の言動を自分ごととして捉えるように…。物語は尻切れに終わっている感があるのかもしれませんが、私はこれで良いと思います。アナとデレクの関係も含め、これでいい。
◉息吹
たぶんどちらも人類が登場しないからだと思いますが、読了後真っ先に頭に浮かんだ作品は、ティプトリーの「愛はさだめ、さだめは死」。
物理法則上、種族の滅亡が証明されてしまう物語。種の滅亡が物理法則で証明されるという設定もさることながら(ここでも運命の残酷さを感じます)、作中、主人公らが利用する貯蔵槽がかつては彼らと同じような世界だったのでは?と思ったことから、彼らの世界に対するものすごい皮肉を感じたのですが、これは正しい読み方だったのかな。いずれにせよ、読後、じっくりと心に染み渡ってくる作品でした。
◉偽りのない事実、偽りのない気持ち
高度なテクノロジーが完全な記憶を提供する未来社会。記憶を忘却したり、都合よく改変することで過去の自分と折り合いをつけている人間にとって、その未来社会はどのような影響を与えるのか。個人的にはオチがちょっと微妙でしたが、素敵な言い回しも多く、印象に残っている作品。
「最初は憤怒していた侮辱が、過去を映すバックミラーの中で、だんだん赦せるものに見えてくる。」
◉不安は自由のめまい
多世界解釈。分岐した世界の自分と交信できるプリズムなる装置が開発された社会。あの時あの選択をしなかったら、今頃私はどうなっているのだろう…分岐した世界の自分を知ることはとても興味深いことでしょう。だけども、その結果心に残るものは安心?それとも妬みや嫉み?結局自分の人生は変えられない現実が待ち構えている。
どんなガジェットが開発されたとしても結局扱う個人の良心次第、といった感じか?個人的に本書で一番よかった。オチがとても綺麗。いいですね。私はこういう後味のよい作品が大好きなのです。
うーん、「あなたの人生の物語」を再読してみよう。新たな発見がありそうだ。
2023年8月29日
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トランス・ワールド [DVD]
- ジャック・ヘラー
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こじんまりした作品。良く言えば綺麗にまとまっているけど、悪く言えば平凡で驚きがない。
2023年8月12日
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未来からの脱出 (角川ホラー文庫)
- 小林泰三
- KADOKAWA / 2022年7月21日発売
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外界から隔離されたサンクチュアリ。管理された生活からの脱出。そこで知った世界の真相とは…
よくあるプロットかもしれませんが、小林泰三の描く物語はちょっとばかり異質。少しずつでも前進ある終わり方だと信じたい。
2023年8月17日
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魔眼の匣の殺人 (創元推理文庫 Mい 12-2)
- 今村昌弘
- 東京創元社 / 2022年8月12日発売
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奇抜な展開だった1作目に続き、2作目も超常現象をベースにしたミステリー。本筋とは別の展開が終盤で明らかに。ちょっとびっくり。そっちの方は全然考えてなかったから。
いいですね。このシリーズ。3作目も読んでみよう。
2023年7月29日
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ミッキー7 (ハヤカワ文庫SF)
- エドワード・アシュトン
- 早川書房 / 2023年1月24日発売
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主人公ミッキーは使い捨て人間(エクスペンダブル)。氷の惑星でのコロニー建設ミッションで危険な任務を担当する彼は、任務で死ぬたびに過去の記憶を引き継いで新しい肉体に生まれ変わる。死を繰り返した彼は、現在ミッキー7。次のミッションで命からがら帰還すると、ミッキー8が生まれていて・・・
高評価!
設定も面白いのですが、展開もまた引き込まれる。ふたりのミッキーはその存在を隠しつつ、コロニー建設のゴタゴタやムカデ型の先住生物との抗争に巻き込まれてしまい、ついに・・・といった感じで、コンパクトな内容なのですが、合間合間に世界背景の描写があったりと、意外と奥行きも感じる作品でした。結末もキレイにまとめて良い感じ。
2023年8月8日
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放浪惑星 (創元SF文庫 ラ 1-1)
- フリッツ・ライバー
- 東京創元社 / 1973年11月1日発売
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さまざまな登場人物の視点で物事は進んでいきますが、どれも展開が遅く、特に序盤〜中盤は同じような描写が続いた印象があり、単純におもしろくなかった。。。
結末もあっけなく終わってしまった感があり、これまでの展開は何だったの?と失望。
ヒューゴー賞受賞のようですが、正直、あわなかったですね。
2023年7月24日
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屍人荘の殺人 (創元推理文庫)
- 今村昌弘
- 東京創元社 / 2019年9月11日発売
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この展開は予想外。
奇抜的な展開下での密室殺人ということで、途中からなんとなく犯人は勘付いたものの、一味違うミステリーを楽しめました。
2023年5月12日
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太公望 上 (文春文庫 み 19-9)
- 宮城谷昌光
- 文藝春秋 / 2001年4月10日発売
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三国志や春秋戦国時代をさらに遡り、時代は殷。暴君紂王が悪虐の限りを尽くし、天も人も新たな風を求めた世において、後世にも不滅の光芒をはなつ人物があらわれる。王朝の殺戮から逃れた羌族の少年、太公望がそのひとである。
中国史においては、三国時代や春秋戦国時代が有名で多くの書物やゲームでも題材にされているように思います。実際、私もこれらの時代はいろんな媒体を通じて楽しませてもらっているところですが、私にとってのはじめての中国史は藤崎竜氏の漫画「封神演技」でした。基本はバトルものですが、緻密な構成にギャグ要素もあり、週刊誌に掲載されていたこともあって、子供だった当時は毎週ワクワクしながら読んでいた覚えがあります。主人公の太公望は、策士として時には汚い手も使いますが、とても魅力たっぷり。私にとって太公望とは、この漫画のイメージが強くあるのですが、宮城谷昌光が描く太公望も、これまた素敵な人物。族長として、軍師として、様々な立場で人を導いていく太公望。彼が投げかける言葉はときに物語を飛び越えて、読者の心をうつことがあります。宮城谷昌光の特徴なのかもしれませんが、本書では太公望に限らず、多くの信念を持った人物が登場し、彼ら彼女らの言葉にとても心を揺さぶられました。信念を持って、苦難に立ち向かいながらも正しいことを行うことの大切さを勉強させられました。
個人的に感じている宮城谷昌光のもう一つの特徴は、終盤が尻窄み傾向にあること。本書でもその印象があり、それまでの盛り上げが素晴らしかっただけあり、牧野の戦いも含めた終盤は、もっと膨らませて欲しかったなぁというのが率直な思い。
とはいえ、非常に楽しめた全3巻。引き続き宮城谷昌光の中国史を読んでいこう。
2023年4月18日
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ウォーターワールド [DVD]
- ケビン・レイノルズ
- ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン / -
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これ駄作なの?普通に楽しめたんだけど。。
2023年4月16日