中世の神と仏 (日本史リブレット)

著者 :
  • 山川出版社 (2003年5月1日発売)
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感想 : 2
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日本における神仏習合の様相を、中世神道を中心に解説する本。山王・伊勢・両部神道を例として取り上げる他、北畠親房などの説も紹介して中世神仏論のダイナミックな展開を概観していく。
本書は日本中世の神仏習合を具体例を挙げて紹介すると共に、それに基づく中世神道の展開を概説している。その意味で、本書は神仏習合や中世神道の初学者にはお勧めの一冊と言える。
本書にて紹介されている、記紀神話や仏教、その他諸々の宗教思想の相互補完的な習合や、そこから生じた全く新しい宗教・神話体系は非常に興味深い。中でも面白かったのは、中世神話(中世において独自に形成された神話)においてヒンドゥー教の影響が見られる神話があるということである(ただ、この点について著者は「仏教という世界宗教に関連しながらも、そこに収斂しきれないアジアの土着宗教の共通性」を感じ取った中世の神道家が、意識的にヒンドゥー教神話を援用したとしている。個人的にこの説は少し疑問であった)。また、中世神道論の特徴の一つである神国論が、元々は末法小国意識に基づいたものであるという指摘も驚きであった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本神話
感想投稿日 : 2013年9月22日
読了日 : 2013年9月20日
本棚登録日 : 2013年9月18日

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