自らのことを「氷河期世代を代表するフリーライター」と自称するライターの、初めての単著である。
ただし、これを今問題の「ブラック企業で働き、身も心もボロボロになって退職した人間が書いたルポルタージュ」と思って読んではいけない。「自分は苦労して早稲田を出たのにまともなところに就職できず、生活のためにやむを得ずこんなちんけなところに就職した。だがそこは自分が思っていた会社ではなく、周りがバカだから自分の考えている仕事が何一つできない。だから悪いのは自分ではない」という恨み辛みを、延々と書き連ねているだけの駄本である。「ブラック企業」と思っているのは本人だけ、むしろ私は、彼みたいな人間を「一人前の社会人」に育成しようと奮闘していた、上司や先輩の苦労はいかばかりかと思ってしまうのである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会学
- 感想投稿日 : 2016年5月14日
- 読了日 : 2015年10月4日
- 本棚登録日 : 2015年10月4日
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