翼の帰る処 2下 (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-4)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2009年8月1日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 29
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北嶺領を治める皇女の元で働くヤエトは、今日も今日とてひたすらに若隠居を望んでいるのに、望みが叶うあてもなく、それどころか出世街道を望みもしないのに進んでしまう始末。病弱な一史官のはずが、どんどん責務を負わされ、仕事を自分で増やしていく哀れなヤエトくんの苦労話。
今回は、出世街道がしがし登らされることになってしまって半泣きなところからスタート(笑)。前巻同様、上巻は笑った……いや、もうこれコメディだよね?というくらいたまらんかった。下手に有能って、辛いのね……そして余分な想像力を持つってダメだよね……みたいな。
でも、ヤエトは大人だよなー。ヤエトは、みかけは二十代ぽいのですが、三十七という設定です。その年にふさわしい、(たまにはただこねねみたいなことも考えるけど)これがこうだからこうしなくちゃいけないよな、というところが少なくとも外から見るとちゃんと行える。それが気持ちよいです。
上巻はあー、皇女とは離れちゃうのか~と思ったのですが、下巻へのつなぎ、読んで笑った。こ、これ、上巻でおあずけ食らった人辛かったろうな……私ならたまんない(笑)。ためといてよかった……。いろいろと舞台がくるくると変わっていくのも楽しいです。なんたって妹尾さんの描く世界ですから、その土地その土地には、特有の風土や信じられているもの、そこから現れてきた芸術や行い、建物などがきちんとある。それを覗かせてもらっているような感覚が楽しくて。相手を全面的に信じられないような緊張感も面白くて、そのへんに注意をよせていたら、……シルヴァーリエン?そ、そこきたかー!ちょっと油断していたので一人でどきどきしちまいました。!まあそのあたりは背景なので、旧作読まなくても十二分に楽しめます。
特にコアなファンタジー読者でなければ、このシリーズから入るのがおすすめです。ラブ要素苦手な人でも楽しめると思います。特に女子向けという内容でもないので、男子でも楽しめると思います。皇女可愛いしね!ヤエトの無自覚にやたら人を籠絡っぷりを楽しんでください(^^)……皇女のライバルは増えるばっかりですなー。伏線もまかれてきたし、今後も楽しみにしています!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読了
感想投稿日 : 2018年12月29日
読了日 : 2009年8月30日
本棚登録日 : 2018年10月12日

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