ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読 (岩波現代文庫)

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ptonさん レビュー済   未設定

現代思想の泰斗による、ベンヤミンの遺稿読解の試み。はっきり言って何度読んでも私にはさっぱりの「歴史哲学テーゼ」だが、この本を読んで少しわかったような気がする。だが、「単純化しすぎ」との謗りもあるし、あくまで「歴史哲学テーゼの今村流解釈」として読むべきなのだろう。
とはいえ、内容はとても魅力的だ。ベンヤミンはプラトン流のイデア論、つまり歴史的〈真実〉の中からさらに真実性の高い歴史的〈真実〉を選び取ることを否定する。そして、むしろそうやって排除されていく〈闇〉の中から歴史的〈真実〉を拾い上げることを訴える。それは、ほんの一瞬のチャンスであり、それを逃したら後はない・・・〈闇〉の中に永遠に葬られてしまう。
その優しい眼差しに共感を覚えつつも、あまりに強い覚悟、ストイックな態度にちょっと腰が引けてしまう。本当にそんなことでしか、われわれは〈死者〉に答えられないのだろうか。

レビュー投稿日
2004年11月9日
本棚登録日
2004年11月9日
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