給食のおにいさん 浪人 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年10月7日発売)
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感想 : 44
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『受験』に続き、同じ女子学院が舞台。

学院内で続いて起こる怪事件、語り継がれてきた”しるし”
シスター入江の過去や、内部・外部生の目に見えない壁。
生涯結婚はしないし、子供も作らないと誓う毛利の生き方も、
それはそれで潔いと思えた。

一番印象的だったのは、シングルマザーの家庭の幼い兄弟。
弟の誕生日にお肉を食べさせてあげたいお兄ちゃんに、
高野豆腐でソイミートの作り方を教えるシーンがすごく温かくて。
かたや「食べられるのに食べない」
かたや「食べたくても食べられない」
その格差がどうにもやりきれなかったです。

近年、問題になっている「フードロス」の4大原因は、
買いすぎ・期限切れ・過剰除去・食べ残しだそうです。
「フードバンク」は僅かながら協力させてもらうこともあるのですが、
「サルベージパーティ」はまだありません。

トマトって、大昔は毒だと思われ捨てられていたんですね。
知らなかった。
勇気を出して最初に食べてくれた人に感謝です。

実家の冷蔵庫のお掃除をする際は、
「捨てるよ」ではなく「もらうね」と言えばすんなりいくのだということ。
今度からそうしよう。

今回は、「給食」が少なめの『給食のお兄さん』でしたが、
佐々目と毛利の名コンビが好きなので、ずっと続いてほしいシリーズです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行
感想投稿日 : 2018年4月6日
読了日 : 2017年10月
本棚登録日 : 2018年4月6日

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