ひたすら苦しかった。熊田の戦いは、すべての女が経験することだと勝手に思った。ここにはわたしが描かれている、太宰の女生徒くらいの衝撃があった。昏い魅力に溢れている人間は実際いるし、知れば知るほど彼らは悪魔的だ。引きずりこまれたなら、毎日毎晩自分が鬼になる瞬間を想像しながら精一杯生きて苦しんで、自分が愛おしいかなしい生き物だと気づく以外に、逃れられる道はないのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年3月17日
- 読了日 : 2014年3月17日
- 本棚登録日 : 2014年3月17日
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