完全版 アンネの日記 (文春文庫) (文春文庫 フ 1-2)

  • 文藝春秋 (1994年4月1日発売)
3.91
  • (46)
  • (28)
  • (51)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 607
感想 : 44
5

想像していたよりも面白かった。
日記は自分に宛てた手紙の形式で綴られており、約2年2ヶ月の間、毎日ではなく数日おきに書かれている。終了は突然で、日常がプツッと途切れている。
隠れ家生活がこんなに賑やかで大丈夫かというほどで、みな我が強く摩擦も多い。日記の中の出来事やアンネの考察がなかなかに面白い。感受性がとても強いだけでなく表現力が豊かなため読み手の心にも伝わる。当初はガキだった彼女が、出来事を通して自分を見つめ心身ともに大人になっていく様子が飾らずに描かれている。思春期の子供の思考や行動は自分と重なる部分も多く、時代や文化を超えて共感できる内容だ。
私は当時の日記を捨ててしまった。思春期を超えて振り返ると恥ずかしく思えたからだ。アンネの日記がそのまま発表となったことは貴重なことだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月27日
読了日 : 2019年7月29日
本棚登録日 : 2019年7月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする