Nicolas, Where Have You Been? (Read to a Child!: Level 2)
- Dragonfly Books (2010年3月23日発売)
ネズミたちは甘くてジューシーな赤い実を探しているが、熟していない青い実ばかりしか見つからない。
熟した実は鳥たちがみんな採ってしまうからだ(とネズミたちは考えた)。
そんなの不公平だ、とネズミの一匹が言う。
そこでNicolasは誰にも言わずに赤い実を探しにいく。と、途中で大きくて醜い鳥にさらわれてしまう。
が、Nicolasがもがいたものだからそのまま落下。
運良く別の鳥の巣に着地する。
その巣には小鳥たちが。母鳥がせっせとエサを運んでくる。でもNicolasはミミズを食べない。彼は赤い実をリクエストする。すると母鳥は熟した赤い実をとってきてくれた。
しばらくして巣のある木を降りて仲間のところに戻ったNicolasはそれまでに遭遇した出来事を仲間たちに話す。
だが彼らは、最初のNicolasをさらった鳥のことを聞くとすぐに怒り始め、鳥をやっつけろ、と叫び出す(この怒りむきだしの戦争っぽいシーンにちょっとヒヤっとさせられた)。
Nicolasはぜんぶ話させてよと叫ぶ。
そして赤い実を運んできてくれた鳥について話すと、ようやく仲間たちは落ち着きはじめる。
その後、数羽の鳥たちが、くちばしに赤い実をくわえてNicolasたちのもとへ持ってきてくれるのだった。
どこかの国に聞かせてやりたいお話だ。
じっくりと話を聞かず、鳥もいろいろなのに、すべてを「鳥」というカテゴリーにまとめて非難する暴挙を、本書はわりと強く批判している。
話を聞かないといえば、私などはかつて遭遇した、対話は存在せず独り言だけが飛び交う死ぬほど退屈な"会議"を思い出した。
- 感想投稿日 : 2022年11月28日
- 読了日 : 2022年11月28日
- 本棚登録日 : 2022年11月28日
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