Inch by Inch

著者 :
  • Knopf Books for Young Readers (2010年4月13日発売)
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感想 : 5
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ある日お腹をすかせたコマドリが、エメラルドグリーンの尺取り虫が小枝にとまっているのを見つける。コマドリは尺取り虫を飲み込もうとする。

「食べないで。ぼくは尺取り虫。役にたつよ。長さをはかれるんだ」
と尺取り虫は言う。コマドリは、じゃあ自分の尾羽の長さをはかってよ、と言う。

自分をじっさいにはかってみせた尺取り虫を連れて、コマドリは他の鳥のところへ飛んでいく。

手始めにフラミンゴの首の長さをはかる。
続いてオオハシのくちばしの長さ。
サギの脚に、キジの尾羽、小さなハチドリの全長。

ある朝こんどは、ナイチンゲールが、わたしの歌をはかってよ、と無理なことを言ってくる。しかもはかれなかったら朝ごはんに食べてしまうと脅してくる。

「やってみるよ。さあ、うたって」
尺取り虫は言う。ナイチンゲールは高らかに歌いだす。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、尺取り虫は距離を稼ぐ。はかって、はかって、ようやく、ぶじナイチンゲールの視界から逃れることができました、というお話。

歌をじまんにしているナイチンゲールの虚栄心を満たしつつ逃げ延びるという知恵のある策略がいい。
どこまでも響きわたるナイチンゲールの歌。尺取り虫が逃げてしまったとわかっても、ナイチンゲールの心は案外満たされたかもしれない。自分の歌を尺取り虫がいつまでもいつまでもはかっていると妄想することができるから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2022年10月14日
読了日 : 2022年10月14日
本棚登録日 : 2022年10月14日

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