単行本で読み、文庫で再読。
村上春樹を師と仰いでいるらしい柴田元幸と、「村上さん」に対して複雑な思いを抱えているらしい高橋源一郎が伝わってくる。
例えば、柴田さんが言った一言に対し、高橋さんが「だとすればすごいですよね」と返すところなど。その点、同じ村上でも村上龍はもうちょっと手放しで評価してる。なぜなら無意識の世界の住人だから。大江健三郎もそう。そして、柴田元幸もまた、本書を読んで、無意識の住人なんだということがわかった。というのも高橋源一郎が過剰なくらいに理知的な作家だから。
互いに互いを敬いながらも、なにか根本的に異なる部分が常にあって、村上春樹の代わりに柴田さんが対話しているんじゃないかと思われる瞬間もあった。
どちらが自由かといえば、柴田元幸に軍配があがる。理由は、直観。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・詩
- 感想投稿日 : 2013年4月18日
- 読了日 : 2013年4月18日
- 本棚登録日 : 2013年4月18日
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