子どもの十字軍

  • ひだまり舎 (2023年8月6日発売)
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4

劇作家ブレヒトの詩。

(ポーランドで1939年
むごたらしい戦争があった。)

で始まる。

(雪のふるころに
東の人たちは話していた。
子どもばかりの十字軍が
ポーランドで始まったと。)

戦争に焼け出された子どもたちが、平和を求める十字軍となって歩いていくという胸つぶれるような光景が描かれる。
しかしその平和という場所はどこにあるのか?

本書が訳されたとき、ロシアによるウクライナ侵略戦争はすでに始まっていたが、皮肉なことに、いまのイスラエルにる愚行はまだ始まっていなかった。多くは書くまい。

もっとも印象を残した1ページ。

(子どもたちにも戦争があった。
ほかにも十字軍がいたから。
けれどもすぐに終わりにした。
意味のない争いだったから。

踏切り小屋をとりあって
子どもどうしで戦っていたら
突然一方の子どもたちの
食料が尽きてしまったという。

もう一方はそれを知って
ひとりを敵につかわした。
腹がへっては戦ができぬと
ジャガイモを一袋とどけた。

裁判だってひらかれていた。
二本のロウソクをともして
きびしい審問がおこなわれ
最後に裁判官の罪がさばかれた。) 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2023年11月5日
読了日 : 2023年11月5日
本棚登録日 : 2023年11月5日

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コメント 5件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2023/11/08

ouiさん
おーブレヒト!読まなきゃ!!しかし訳者名が無い誰が訳されたの?

絵を描かれた、はらだたけひで
何所かで聞いた記憶が、と思って調べたら「グルジア映画への旅」(未知谷)の著者。早く読みたい一冊でした。
この絵の感じも、見たコトあると思ったので探したら有りました。ペトル・ヤルホフスキー「この素晴らしき世界」(集英社)

と、どうでも良いコトをつらつらと書きましたが良さそうな本をご紹介くださってありがとうございます。

ouiさんのコメント
2023/11/08

猫丸さん、
さすがよくご存知です。はらだたけひでさんといえば岩波ホールの方ですよね。あまりにざっくりしすぎていますがジョージア映画の人。
本書の翻訳も彼が手がけているそうですよ。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2023/11/08

ouiさん
> 本書の翻訳も彼が
そうでしたか!

> 岩波ホールの方ですよね。
いつまで経っても「ジョージア」に慣れませんが、岩波では結構上映されたのも、はらだたけひでのお陰?
カバー画を担当された「この素晴らしき世界」のチェコ映画は、たまたま東京に居たので岩波ホールで観ました。何か関係あるのかな?

ouiさんのコメント
2023/11/08

猫丸さん、
私もグルジアの方がしっくりきます笑
岩波ホールでの一連の上映のほぼすべてに氏が関わっているはずですよ。

岩波はヤン・フジェベイク監督作も紹介してるので、はらだ氏が脚本家のヤルホフスキーの本の絵を担当したのもやはりその流れでではないでしょうかね

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2023/11/10

ouiさん
> ほぼすべてに氏が関わっているはず
こう言う方が居て未知の国との接点が広がるんだろうなぁ、、、

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