同じかもしれないし、違うところもある、二人の話。
村上春樹のエッセイが好きだ。ジャズが好きなのは知っていたけれど、クラシックにも詳しいとは。レコードを聴き比べたことがないし、それほどオーケストラに思い入れもないけれど、二人の対談は色々と感心することが多かった。指揮者の話、小澤さんの考え方だけでなく、バーンスタインやカラヤンほかの指揮者、またソリストのことや、弦楽四重奏の魅力など、今まで注目していなかった世界を知ることができた喜び。
「良き音楽」とは。楽譜を演奏するとは。指揮とは。考えたら、楽譜を書いた作曲者の意図は、もしかしたら指揮者や演奏者が思っているのと、全然違うかもしれない。それは、作家が描いた物語が、全然意図していない、もしくは意図していたものを超えて、読者に読まれるのと似ているのかも。でも、音楽は、作曲者、指揮者や演奏者だけでなく、聴く人というポジションもある。
異なるかもしれないけれど、通じ合えるかもしれないところ。それを探すのは、ロマンだな、と。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
76: 音楽. 舞踊
- 感想投稿日 : 2017年11月16日
- 読了日 : 2017年11月12日
- 本棚登録日 : 2017年11月16日
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