チップス先生、さようなら (新潮文庫)

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本棚登録 : 92
レビュー : 17
制作 : James Hilton  白石 朗 
quatorzeさん 93: 英米文学   読み終わった 

あなたはこの学校、先生というもの。

涙が浮かんだ。学校を体現する教師、あるひとつの理想の教師像。愛にあふれている。効率だけでは見えない、教育者の姿。時代が変わっても、変わらないものの価値。本当に学校で教えるもの、教師が目指す姿のひとつが、この物語に描かれていると思った。

チップス先生は、見送る人である。学校の先生は、毎年新しい生徒を受け入れ、また送り出す。それ以上に、チップス先生は、妻を、生まれた子供を、同僚を、校長を、たくさんの男の子たちを見送った。去る者は日々に疎しというけれど、チップス先生はいつまでも彼らを愛している。その、一番輝かしい姿で覚えている。

イメージする、憧れる、英国の姿を描いた作品でもある。パブリック・スクールの老教師。時代が移り変わっても、変わらない、泰然とした、時には停滞したとも揶揄されそうな、“古き良き英国”の姿。きっとチップス先生は、そんな英国も覚えている人。それは、きっと望まれる英国人の姿。

レビュー投稿日
2018年8月13日
読了日
2018年8月13日
本棚登録日
2018年8月13日
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