事変―リットン報告書ヲ奪取セヨ (角川文庫)

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感想 : 4
5

 友人に勧められて一読。

 本当に面白かった。虚実とりまぜた究極のエンターテインメント。歴史が疎い人であればノンフィクションとフィクションの境目も分からないでしょう。

 なんといっても松岡洋右。史実上の松岡といえば国際連盟脱退から始まり、日独伊三国同盟・日ソ中立条約の締結、アメリカ国務長官コーデル・ハルとの日米交渉。よくも悪くも評価の別れる、日本外交の重要な局面に関与した外交官、外務大臣だ。

 小説は、松岡の業績に於ける初期、満州事変から国際連盟脱退に至るまでの間を書いている。

 国連退場を決意した時の松岡の心境を考えると胸がアツくなる。戦前の日本には、国際外交の謀略を理解し、大国相手に十二分に渡り合える外交官が確かに存在していたんだなと再考。

 今、世を挙げて日本の行った戦争を侵略と断じ、当事者を悪と論破している。当時の苦辛を省みる人はいない。まだ読んでない人はこの小説をきっかけに近代史に興味を持って欲しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 長編小説
感想投稿日 : 2011年9月7日
読了日 : 2011年9月25日
本棚登録日 : 2010年5月7日

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