門 (新潮文庫)

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本棚登録 : 2619
レビュー : 220
著者 :
qx70さん 夏目漱石   読み終わった 

本文で明らかにして欲しかったのは次の2点。

まず一点目は、宗介、御米、安井の間に具体的に何があったのか。下衆い話かもしれないが、その「何か」の前後で3人の性格がガラリと変わってしまったことから見ても、この「何か」がとても重要であることは明らか。わざとブラックボックスにしたということは、そこを読者に想像して欲しいということか?あまり性急に欲してはいけないのかもしれない。

もう一点は安井の話を聞いた後に宗介が宗教に傾倒した、その思考の道筋。この時代の常識的な思考経路なのか、あるいはこれも作者の恣意的なブラックボックスが置かれているのか判断できない。禅寺のエピソードは本書の題「門」にも直結することであるから、この思考経路も見逃せない要点ではあると思うが、少なくとも今の自分にその思考経路は共感を持てない。

等々、掴みどころのない点も多々あったが、全体的には気に入っている。何より日本語が綺麗。表現が明快で多彩。宗介と御米の二人組がとても愛おしく思える作品。

レビュー投稿日
2012年8月31日
読了日
2012年8月17日
本棚登録日
2012年8月17日
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