三国志随一の大戦、赤壁の戦いは折からの東南からの風によって呉軍の火計が見事にきまり、曹操はほうほうの体で逃げ帰る。その途中、劉備の家臣たちはそれぞれ敗走する曹操の部下たちを屠るが、関羽だけは人情に遮られ、功なく帰還する。
その後、西涼の馬騰は曹操を討ち取る好機をつかむが、またも事前に計画が発覚し、ついに捕らわれ、斬首されてしまう。その遺児、馬超は散々曹操を苦しめるが、敵中作敵の計にはまり、仲間割れを起こした結果、敗走する。
一方、劉備はついに孔明の計略により荊州一帯をおさめることになり、それが元で呉の周瑜は憤死してしまう。
このように、物語は激動する中、馬超、魏延、黄中といった名をはせる豪傑が現れれば、太志慈のように惜しくも命を落とす武将も現れ、時代のながれを感じてしまう。そんな中、いよいよ劉備は蜀建国に向けて少しずつ地歩を固めていく。
それにしても、劉備の人となりがあまりな仁君で、孫権は兄・孫策、父・孫堅同様激しやすい人物として描かれていて、そういう意味では暴虐なだけでなく、義も知りながらあえて天子を担いでその威を借りるあたり、曹操が最も人間味に溢れているように感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年11月5日
- 読了日 : 2013年11月4日
- 本棚登録日 : 2013年10月22日
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