現在では使われない言い回しが非常に多く、語彙の勉強になった。
第三夜の辻褄があっていなくても何故か心が納得してしまう様は、上手く夢の世界を表現していてまるで自分も夢を見ているかのように感じた。
しかし、私はこの作品全体から夏目漱石が何を伝えたいのかが分からなかった。第一夜から第九夜までに内包された共通の意味がありそれが第十夜で明かされるのかと思ったがそういうわけでもなく、それぞれの夢は独立したものであるようだ。これでは各夜の数字を入れ替えても成立してしまうのではないか。
美しい文章、たくみな言い回しを表現する上で何をやっても許される夢という舞台は万能で都合がいいのだろうが、個人的には好きではない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年5月16日
- 読了日 : 2018年5月16日
- 本棚登録日 : 2018年5月16日
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