お化け屋敷プロデューサーという聞き慣れない仕事を知ることが出来たし、お化け屋敷は元々見世物形式の博覧会が起源だという事、限られたスペースで考え抜かれた体験時間、緊張と緩和、そこに上手く間を持たせるような工夫等、様々な趣向や苦労があるという事が分かった。ここまでお化け屋敷一つのテーマで語られる本も珍しいだろう。得るものがあった。
緊張と緩和の法則が快楽を齎すらしい。その落差は大きいほど、良いのだと。緊張を起点として、つまり想像から開始し、現象が起こるまでの時間が不安という心理。お化け屋敷は、人の感情を考え抜いたエンターテインメントだ。
だが、自分が行きたいかと言われるとそうでもない。この本を読んでもそうならない。一人で行く事を前提に考えるからだ。子供や恋人、友人と一緒なら楽しいだろうな、と思う。緊張と緩和の作用は、一人だと虚しいと感じてしまう。そんな事をしみじみ思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月30日
- 読了日 : 2022年8月30日
- 本棚登録日 : 2022年8月30日
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